氷山
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詩のことばをつかえるようになりたいです

にんげんはすこし正しい まるまった人にふとんをかけなおすとき
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常夜灯と名乗る優しい感じの人が昨夜殺したほんとうのよる
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ましかくでいられないこの凸凹を許し合うときパズルは埋まる
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お月さまさえ敵になる雪の夜はダウンもぜんぶ置いて逃げ出せ
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あなたとの間に置かれた鏡にはわたしの下卑た牙がうつった
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お前でも君でもなくてあなたのことをあなたとよびたい恋をしている
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もう岸に戻れなくてもかまわないから漕ぎ出したあなたへの海
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いつか会うあなたの心のまんなかを目指してことばを磨いてきたの
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背負うものを決めて愛をつづり出すわたしを覆う月のヘイロー
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ふる雪とつめたい空気をあなただと思うくらいに愛してんのさ
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痛まないことのない世ですこしでも痛みの少ないところにいてね
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身も凍るくらい厳しいおんもだからね わたしの温度に帰っておいで
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ご両親の次にいちばんあなたのことを愛するわたしがいると知ってよ
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ひとびとにもらって返しきれないものを短歌にそっと編んでは放す
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ねえ今日はゆりかごみたいな月だからきみもお部屋をあたたかくして
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きらいなら滅ぼしたげる、と言う友のいる場所だから生きていたいの
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まるごとのあなたを愛す believe というより believe in の恋情
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あいすとは甘く冷たくいつまでも変わらずきみを待っていること
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祈るように冷ご飯をあたためた わたしを大事に わたしを大事に
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何度でも紅茶のポットをのぞいてまともでいようとした休日
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掠れかけた星がひとつぶこぼれ落ちたから私は泣かなくていい
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口を開けながらシリウスを見上げた地球の上のただの一本
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友だちと歩いた道と師の言葉に縫い留められていてほつれない
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うれしすぎるときとかなしすぎるとき詩のことばたちはぼくを離れる
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笑うのは私をいつくしむからでかんぺきにならなくてよかった
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ともだちに耳を倒して上を向く このひとになでられてうれしい
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だいすち、と心の中の三歳がふぞろいな歯をむき出しにする
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お月さん、競争しやう。お日さんに見つかる前に床に就くのよ
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理に逆らつてゐる一日の始めは西に燃ゆる陽を見て
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帰るなりチョコをむさぼりあちこちでこぼしあふれる寝不足のゆび
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