氷山
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詩のことばをつかえるようになりたいです

院生になってもどうやら私のままで資料の山の前にたたずむ
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空の巣になった家から送られてくる食べ物の量が増えたな
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あなたには許されていた。春の日のてもち無沙汰に握るゆびさき
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遠くまできたね。ずいぶん−−そうか、もう、帰りのきっぷはいらないんだね
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くるしいと思ったきみは背すじをのばせ 肺をつぶしているんじゃないか
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春雷のとどろく新しい土地で人もほのかに電気を帯びる
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星空を見たことのないストーブに最期の空を見せる二十時
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手の冷えた友だちをぬくめるためにあったかい手に生まれてきたよ
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どうしても一緒にいたいあなたの前で「消えろ」のとこが歌えなかった
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手荷物を持ちかえて差し伸べられた指先をつつみ込んでお別れ
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雪解けてチャリも走れる小春日和の額に受ける風がやさしい
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酔いどれのたわむれなんかじゃないのにきみを抱きしめる確信犯
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高鳴ったあたしの胸もしらないで手紙と一緒にここを発ちなよ
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まあ、そうね、考えてみて。あの人があの日おまえを許したわけを
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こっそりと隠れるように盗み見るまだまっ暗い四時半の空
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偶像というにはあまりに友だちすぎるきみはわたしのための恒星
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その指が編んだアルバムを繰ればあなたのいない日々を暮らせる
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思い出の中にはいつも君がいてわたしと同じ景色を見てる
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その声でよばれるたびに輪郭がはっきりとするわたしの名前
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うっとりと目を閉じるねこの瞼が合うときに散るゆたかな火花
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虎がいるでしょうあなたの胸の中にも 許せぬものを許さぬために
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こころある人の指から放たれるただしい鍼が心臓を刺す
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人を傷つけた夜にもあったかいのり弁を食う、食らう、しょっぱい
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昔より垂れてきた頬を見てたら目が合って若返るははおや
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柔村という名のひとのエスプレッソに似たすこしでも満たされる歌
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おふとんにもぐればいつのまにかなんだかんだでねむれるいきもの
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上なんていつも向かないから向いたら首が痛くなったさみしい
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太麺のものなら全部おいしいと宣うわたしが踏み潰すあり
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ぼくはこのように生まれた。みにくくてはずれたぼくのままで生まれた
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きみという水面みなもはあまりに澄んでぼくというけものをつぶさに映す
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