Utakata
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瑞乃ゆみ
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歩きつつ見上げたる空は花曇りわれまだ見ざる桜そに見ゆ
12
一人だけ昇格できぬままいつか褒められし笑み落つる夜の海
10
聖なる夜そと放たるる詩にみなの吐息がとけてゆるやかに消ゆる/連作「朗読会」③
10
詠ずるに生まれ変はりし言の葉を密やかに飲む葡萄酒のごと/連作「朗読会」②
12
われわれの魂に触るる人の声その詠ずるは祈りのやうに/連作「朗読会」①
10
宛て名なき手紙を食みし白山羊が詩を零しながら歩きをりてふ
13
いくつものゆびきり心の片隅にそつと重ねてさやうならまた
15
霧雨を浴びて歩けば地の
球
(
たま
)
に吸ひ付く音の響く地底へ
12
折り句「さくらもち」/
さ
(
さ
)
くら舞ひ
崩
(
く
)
ゆる身ぬちの
羅
(
ら
)
針盤
戻
(
も
)
らぬ春の
地
(
ち
)
図を樹の下に
15
まつすぐに突き進みゆくきみのあと残されし花の
標
(
しるべ
)
は消えぬ
15
この傷は私だけのもの花びらでやはく
包
(
くる
)
みて歩を進めたり
11
海の底丸まり寝ゐる怪獣の
氷涙
(
ひるい
)
を食めるちひさき魚
14
賑はふ店ひとり食めれば我とけてシェイクが
躰
(
からだ
)
に甘く満ちゆく
11
ぶだうパン食めばおぼゆる小公女かのパンはさぞ甘かりけむや
14
さざんくわのくゆる匂ひのすくへるを眦に引けば零るる
紅
(
あか
)
13
硝子玉にコーティングした心ゆゑ月のひかりもはじいてしまふ
18
あの夏の記憶凍らせ眺めをりもし溶けたらばきみは消えぬべし
14
受け取りしひかることばを蓄へつつ軽やかにその海泳ぎたし
23
その軽きことばは鈍く降り積もり其より抜くれどまた降り積もり
13
リコーダー吹きながら歩く帰り道練習中のうぐひすが鳴く
24
生まれてもゐない時代のあの家に泣きたいほどに帰りたかつた
17
いくつものひかりの扉が待つてゐる図鑑を抱き眠つたあの日
19
心の内のやはきところを差し出して日向ぼこするやうに話す日
27
この泪こぼるるを飲みし不死鳥は燃え立つ西の空へと消えぬ
20
降りしきる言葉のうちに立ちすくみ祈りと呪ひを取り違へし
夜
(
よ
)
21
一心に団扇であふげる酢飯より立ちのぼる
香
(
か
)
にむせしあの頃
20
ばつさりと髪を切りし日首筋をかすめし風は
彼
(
か
)
のよだかなりき
15
T. rexの歯のレプリカが震へる
夜
(
よ
)
夢で出逢つた恐竜たちは
13
ゆびさきが凍星のもとゆるやかに透きとほりゆきやがてすべてが
19
東雲の刺すやうに光る空をみて夕べのわれが泪を零す
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