瑞乃ゆみ
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94

よろしくお願いします。

おほきなる鳥わが腕を掠めしとき祖の恐竜立ちあらはれたり
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真白き雲みなの思ひを吸ひ込みてふわんふわんと丸くふくれゆく
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今われは生きているのだとふいに思うたとえばバスに揺られるときに
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オーケストラ ソリストの弓は空を裂く気高き龍が立ち昇るごと
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透きとほる水、日を慕へばテーブルにうつろふ虹のまどかなるかな
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車の下しづかに咲ける花たちのちひさきたましひ世のあはひに立つ
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荒れ狂ふ波に飲まれじとおほきなる白き翼になる夢をみる
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天の原昏き雲ぞ掃き出でらるるちひさきちひさき三日月冴ゆ
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雨降れるしづかなる世界にただひとり傘のうちには終はらぬ絵巻
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色々な人の思考を飲み込んで変質する我はプラスチック
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わが身体からだを成す細胞はぽろぽろと崩れてこの世の一部にもなれず
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物語終わるも彼らの生は続くわが脳に2cm2センチほど間借りして
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気まぐれにみた駅伝の走る音積み重ねていく音、心地よく
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ためらいなく席を譲ったあの人の綺麗な横顔が眩しかった
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風過ぎて樹の形そのままに落ちた葉は薄青のたましいの抜け殻
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電車にてスマホの画面にうつりこむ小さな雲らをぼうっとみつめる
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きみといる心ほどけるこの空間これがわたしのしあわせなのだ、と
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寝坊してメイクも途中で出てきてもそれを遠慮なく言えるしあわせ
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蜜柑の木に烏飛び乗り烏珠ぬばたまの黒い瞳がゆれる昼下がり
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大歓喜の日本一から一夜明け 空からも祝いのビールかけ
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声援でビリビリ揺れる家、我らと歴史を揺らした選手たち
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よく夢にみるふるさとの道をまた歩いた日それもまた夢かと
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もう知らぬ街だと思ったふるさとは変わらぬ顔で迎えてくれた
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いつまでも胸の内にはめいっぱい駆け回るきみ撫でられるきみ
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散歩中いつもの花壇覗き込み朝露光る葉に吸い込まれる
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雨の音だけが小さく響く朝靴音鳴らし瞼を閉じる
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普通列車に揺られて帰る満ち満ちた心が零れて夜に浮かんだ
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通り雨仰げば太陽に照り映えて 大切な荷物抱えて走る
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四年ぶり友と再会するも雨 手をとりあって駅へと走る
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見上げると複雑に絡む電線 幾多の営み日が落ちてゆく
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