瑞乃ゆみ
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よろしくお願いします。

散歩中いつもの花壇覗き込み朝露光る葉に吸い込まれる
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雨の音だけが小さく響く朝靴音鳴らし瞼を閉じる
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普通列車に揺られて帰る満ち満ちた心が零れて夜に浮かんだ
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通り雨仰げば太陽に照り映えて 大切な荷物抱えて走る
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四年ぶり友と再会するも雨 手をとりあって駅へと走る
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見上げると複雑に絡む電線 幾多の営み日が落ちてゆく
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魂の容れ物深く眠ってた 長かった、でもようやくここまで
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鳴き尽くした蝉そこここに落ちていて翅だけ残し砕けゆく夏
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カート引き歩く後ろでクシャクシャと枯れ葉あやめる音が聞こえた
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でこぼこの地面を確かめるようにきみと歩いた道踏みしめる
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じっと地面見つめて歩く己という器の中を歩いているよう
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ひこうき雲私のおりを乗せ忘れ三つそれぞれの空へ消えた
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旅立った瞬間に間に合わなくて きみのたましい翳りなくあれ
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見上げれば枝切られた木の影濃くきみがいる気がした黄昏時
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きみの鼻息かと思ったその一瞬 風の姿を借りて来てくれた
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きみという子がいたことを歌に詠む百年のちも色褪せぬよう
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きみとの想い出すくい上げる度きみののこした色が濃くなる
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隕石がおちて滅びゆく恐竜たち他人事だとは思えなかった
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恐竜たち戦いの末たおれゆくあの眼を知ってる 愛犬の、あの
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羽根ペンにインク吸わせてしたためるそのふみはきっと菫の匂い
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届かぬとわかっていても祈る日々それが自己満足だとしても
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巣にこもり友らの日常垣間見るもはや雛鳥ではない我は
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きみの写真毎日見ては宙を撫で 柔らかな毛並みのあのあたま
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洗濯物干しつつ涙あふれ出す乾かしてくれこの水分も
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「普通」という多数派に入れなくて我の行く先ぼんやりかすむ
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我の道 亀の歩みで進んでは甲羅の中でゆらんゆらんと
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去来する意味もたぬもの書き散らし舟を漕いでは意義を求めて
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夕陽から巨大な白き翼伸べ我らを知らぬままとけてゆく
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無垢なしっぽまっすぐ空へ月明かりのもと気になる地面、草、ねこ
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薄闇に真白ましろのしっぽふわりふわ こみあげる愛しさ夜に溶け
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