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詠む内に広がる世界に差す光この瞬間を待っていたんだ
23
もう動かぬ分かっていても拾いかねるベランダにひっくり返った蝉を
9
死を思う人よ生き死に自由なれど私はあなたの居る世界を望む
11
日だまりに 如来の如く 目を閉じて 猫の居眠る 斑鳩の里
21
開け閉めの わずかのすきに 舞い込みし 蜂にボヘミアの 歌を聞かしむ /『♪ぶんぶんぶん』
13
点滴の 肘窩(ちゅうか) をさぐる 看護師の 手の温もりに 目を閉じにけり
16
IgG(アイジージー) 補うために 人様の 血より作りし 点滴を受く /献血免疫グロブリン
12
さすがもう平気なんだとまだ有った冬の名残りを仕舞う暑さかな
20
晩春に替えるズボンの色冴えて 麦藁色とか茅色だとか
13
エレガント、ハードボイルドどれも無理「ふつう」という名の仮面をかぶる
21
核見えず 通せんぼする海と陸、意地悪捨てて和ぎ給えよ
17
いつの間に始まっていていつの間に「老い」と呼ぶ日へ続く日曜
26
フリースの袖を伸ばして新聞を読めば静岡真夏日だとか
24
約束の時まで待つと告げた
夜
(
よ
)
を 忘れたように君を思い出す
8
桜蕊落ちて踏まるる暖春のかの人の早や詠み殻となり
17
トランプの事を頭に掠めつつそれでも暖房こころおきなく
28
桜散る影 葉桜映える 新緑に 風吹き抜けて 麦茶冷ゆ
12
工事場の重機の下に
微睡
(
まどろ
)
む猫 ぐっすりおやすみ 今日は日曜
20
桜散る 心静けし つつじ咲く 陽射しあたたか 夏来たる つばめ飛び交い 空碧く澄み
5
あと
10
年 この勢いでいけるのか 気持ちあっても 先行き不安
16
夜勤明け ビールに焼きそば 食べちゃうぞ 一人暮らしの自由満喫
14
豆を挽き 珈琲淹れて 始まりぬ 新芽が光る 日曜の朝
36
放っといた庭木柿の木紅葉の木放埒すぎる枝のやんちゃよ
22
愛想ないきみが笑顔を向けている奴を地獄に突き落としたい
13
ここにいた なんでわかるの 一発で あなたはいつも 右端にいる
6
思ひでは焼いてしまおう馬なめし武蔵野原とかへりゆくまで
9
卯の花が咲く月としてそう呼ばれ 爛漫春に芽吹けよ卯月
10
なんかこう わからんもの
背負
(
しょ
)
わされて 踏ん張ってきた 長子事情
17
うれしい「春」 枯れ盆栽も一斉芽吹く若葉ながらに花添える
17
散りぎわの枝をめぐりて熊蜂は春のなごりをあらためてゆく
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