とっちー
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渚ゆく 子らの笑声 かぜにのり 真昼の海は ひかり満ちたり
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入道雲 空を押し上げ そびえ立ち 胸にひろがる 夏の記憶よ
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熱波来て 昼も夜も 眠れずに 窓辺の月も 汗をかくよう
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打ち上げて 散りゆく花火 儚くも 恋の行方を 映すかのよう
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夕立に 濡れて駆け出す 子らの声 夏の匂いは 虹を呼び込む
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二刀流 夢を現に 打ち放つ マウンド越えて 歓声ひびく
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陽炎に 街の景色も 揺れ惑い 息することさえ 夏の試練に
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波きらめく 渚を駆けて 砂は熱く 風に混じりて 潮の香を吸う
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潮騒に 心あずけて 夕まぐれ 赤く染まりぬ 浜のひととき
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照りつける 陽射しのなかを ふらふらと 蝉の声さえ 暑さにとける
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隠しても隠しきれないうつろな目 図書館に棲むホームレスたち
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オーバーに笑うのが仕事なのですと顔に書いてあるテレビタレント
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横綱に必要なのは強さだよ 品格だけの日本人力士
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誰よりも美しいのはわたくしよ!水辺に競うフラミンゴたち
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難しい馬鹿になるのは それ故に中途半端な男でござる
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どの国の国技なのかは知らねども 強き力士に日本人なし
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拝まれてもこんなに多くはきけません 初詣にて神様ぼやく
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朝早く 豆腐売りの 笛聞こえ 道に飛び出す 主婦と野良猫
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勝ち組か負け組なのかは知らないが カラスは今日もカーカー鳴いている
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時として狂言自殺を試みる 豆腐の角に頭をぶつけて
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我がもとに生まれるはずの子はいるか 親となれない因果のくびき
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叩かれても叩かれてもまだ生きている タフネスなのか鈍感なのか
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狩りというむごい遊びをする人間は高等生物と自らを位置づける
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飼い猫の愛情表現噛む故に 我が腕に傷絶えることなし
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歳ごとに私の腹は曲線となる 子を産むでなく財貯めるでもなく
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見わたせば良いも悪いもなかりけり 人が勝手に色を染めおり
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街灯に引き寄せらるる蛾のごとくコンビニストアに集まる我ら
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私の大の苦手の鉄棒は「逆上がりせよ」と今も我を責める
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何を以て我が楽しみとす 酒は少し賭け事やらず女を買わず
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一年は一日よりも短いと実感している大晦日の夜
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