とっちー
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咲く花も 散る花もまた 同じ道 ただ今を生きる 風のまにまに
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猫去りて 膝のぬくもり まだ残る  毛のひとすじが ゆらゆらとゆれる
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帰り道 誰もいない 路地裏に ふと目が合った 野良猫の瞳
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空気さえ 測りて進む 猫のひげ 細き羅針盤 闇を導く
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ごはんまだ? 見上げる瞳 うるうると 演技する猫に 人は負けゆく
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呼びかけに しっぽで答え 去りゆけり 自由を生きる 猫のしぐさよ
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ひだまりに のびた体を くねらせて 夢見る猫の まぶたのぬくみ
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豪雨過ぎ 雲間の光 差し込めば 水鏡なる 街路のきらめき
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蝉しぐれ 名残の暑さに 汗ぬぐい  秋の気配を 風に探して 
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歩みゆく 道に迷いて ふと気づく 遠回りこそ 景色は深し
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かき氷 いちごにレモン 青ソーダ 舌が虹色 夏のまつりだ
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青き空 子らの笑顔に 風ひかり 争いなき世 祈り重ねて
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おにぎりを ほおばりながら 草の上  雲のかたちで 笑い転げる
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形なき 時の流れに 身をゆだね 生きるとはただ 問いつづけること
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入道雲 天をつらぬく その姿   夢を抱けと 語るがごとし
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熱帯夜 眠れぬままに 月を見て 心も渇く 明けを待ちおり
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灼ける陽に 影を探して 立ち止まり 汗のしずくは 川となり落つ
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炎天下 アスファルトより 陽炎立ち 蝉の声さえ 重く響けり
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夏の海  きらめく波に  足を浸け 過ぎし日々まで よみがえりけり
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渚ゆく 子らの笑声 かぜにのり 真昼の海は ひかり満ちたり
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入道雲 空を押し上げ そびえ立ち 胸にひろがる 夏の記憶よ
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熱波来て 昼も夜も 眠れずに 窓辺の月も 汗をかくよう
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打ち上げて 散りゆく花火 儚くも 恋の行方を 映すかのよう
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夕立に 濡れて駆け出す 子らの声 夏の匂いは 虹を呼び込む
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二刀流 夢を現に 打ち放つ マウンド越えて 歓声ひびく
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陽炎に 街の景色も 揺れ惑い 息することさえ 夏の試練に
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波きらめく 渚を駆けて 砂は熱く 風に混じりて 潮の香を吸う
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潮騒に 心あずけて 夕まぐれ 赤く染まりぬ 浜のひととき
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照りつける 陽射しのなかを ふらふらと 蝉の声さえ 暑さにとける
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隠しても隠しきれないうつろな目 図書館に棲むホームレスたち
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