Utakata
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とっちー
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医者の出す抗鬱薬は効かないが 愛の言葉が私を癒す
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どうしても君に会えない鬱の日は ダリの時計の如く垂れゆく
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「苦しいよ」声のする方振り向けば うつぶしている熊のぬいぐるみ
7
「ガンになれ早くならないと損するぞ」とささやいている掛け捨てガン保険
5
「怖いー」と幽霊達が逃げていく 人間達の悪逆無道
6
アルミ缶背負う男の背中には おもーい過去もかいま見えたり
6
午前二時みんな眠ったのだろうか 庭の牡丹も山の狸も
7
秋深し この
空
(
くう
)
なる心にはカラスが鳴くも
愛
(
いと
)
おしく聴く
4
退屈な映画にあくびする我はロボットよりも賢いのかも
9
忍れど色に出にけり我が鬱は 医者に行けと人の言うまで
7
星空は誰の上にも
瞬
(
またた
)
いて 気づく人あり気づかぬ人あり
10
なに思う創作途中の和人形 髪なく脚なく天井見つむ
9
秘密です 君の愛する我の髪が中国産のウィッグなのは
6
地に落ちる私の影は我よりもはるかに大きくたくましくあり
5
どこまでが額なのだろう どこからが禿なのだろう 悩めば眠れず
4
通販で「ワーやすい-」を連呼する 自身もやすい芸能人たち
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リンゴ射るテルの如くに難しい 鏡を見ながら
頭髪
(
かみ
)
を切ることは
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今日もまた豪邸に住む演歌歌手が庶民の心を歌っているよ
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どんな絵も額に入れればよく見える 私を入れる額縁はないか
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僕はもう深海へ帰る 猫の座る落書きだらけの電車に乗って
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うらやましきものの一つに禿髪のよく似合ってるいきな男があり
7
一時間早く起きると決意しも三日坊主で枕抱きしめ
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渋谷街 はしゃぐ少女にホームレス 光と影のショーウィンドウ
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脳みそが脳みそのことを考える いったい私はなにものだろう
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あのときが頂点だった日本国 猫が虎に勝った日露戦争
5
突き詰めれば私は分子と原子からできているのだ アンパン食べたい
5
犬猫が餌もらうのを待つように我も待ちたり定食屋にて
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漫然とテレビを見てる日曜日 元気がないのは秋雨のせい
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美女達に追われる夢を見るときの私はいつも寂しい男
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今日もまた元気に走る山手線 人を食らって人を排泄す
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