Utakata
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晶史
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信号が赤に変わりそうなことさえも若いふたりは笑いにかえる
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あの頃と名こそ変われど入試とは寒くて湿度の多い空気で
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恋人に贈られしまま色褪せた齋藤史の歌集をひらく
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門柱に子羊の血を塗るように「久松留守」と書いてみようか
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恋もして子供も育て信仰の馳せ場を駆けて御国(みくに)に召さる
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双六をひらけるように年が明け ひとますめには蠟梅が咲く
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北国に帰るのならば涙など流す時間もあっただろうに
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思い出が小雪のようにとけている 鴨川の土手 クリスマスの夜
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スマホ持つ恋人たちにはわかるまい 山下達郎のChristmas Eve
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あの人はあの角曲がってくることがわかる
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分早起きの朝
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泣くことも笑うこともやめ見上げれば浮かんだ月がちょっとにじんだ
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清水のライトアップの光線は京都の街のヤコブのはしご
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あの頃はあのようにして笑ってた夕方六時の母校の校門
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ペコちゃんと三本仕立ての菊の花そしてもみじの初デートの日
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あの二人初恋同士だったのに そして別れたはずなのに
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晩秋に夕顔のタネ摘み取りぬ愛する人の骨拾うごと
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今月の十六日はペコちゃんの前で待ってた初デートの日
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久しぶり元気でしたかの挨拶をさえぎるリュックのヘルプマークが
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あの頃と同じ季節にこのベンチ座れば聞こえるtoo far away
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何もかもうまくいかないこんな日がこの歳になってやってくるとは
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召し近し彼女はかつて恋をして泣いて笑って子を育てたり
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原坊に似ているなどと言われてたあいつは今頃何してるやら
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若くして逝きし彼女の笑顔あり 今朝は母校の文化祭の日
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来し方を見れば一緒に歩み来た 口笛吹きと吟遊詩人
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とぼとぼと背中丸めて帰路につく私のうしろに十六夜の月
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神様は御国にその子を招きしか 幼き命失われたる
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そこここに曼殊沙華の花咲くように京都の街に思い出がある
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人多き綜合病院の待合は 仲睦まじき老夫婦あり
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ながむれば 跳ね返りそうな色をして 塀に並ぶる曼殊沙華咲く
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悠久の御所の歴史に比ぶれば 半世紀ばかりの初恋ベンチ
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