Utakata
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空腹と同じ重さのカバンには 空の水筒 ペーパーバック
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朝がたのミルクティの温もりに まぶたを閉じてすべり落ちてく
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いっそ極悪人であればと思いもしないことを呟いてみる
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亀よりもおそく歩いているらしく スタートラインも見えない未だ
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この家の玄関先の冷たさを知らずにいることがうれしい
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尻尾が生えていたならこの揺れは 確かめずとも伝わるだろうか
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お祈りと当選通知のメッセージ 空の言葉をためておく箱
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十六時 シャッターの下りた市場は 一足先に夜を迎える
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先を行く人の歩幅にならう朝 推進力も人任せにし
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寝入りばな 灯の消えた部屋の色 あつめてパッチワークを作る
9
ハイライト 夜間飛行の暗がりで 笑うあなたの歯がぼんやりと
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重い夜 母は牛乳を沸かした 小鍋の音を思い出す雨
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この穴が見えていないといいのだが 失ったのか元から無いのか
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歩きかたも眠りかたも違うきみと同じ時刻を見ているふしぎ
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このやろうずっと引っ張って歩くからでろでろ揺れる右の袖だけ
6
目も鼻も 口も耳も 全部穴 気付いたあの日に 塞いでそのまま
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つるつるとすべる親指いつも通りデリートキーに戻っていって
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