こんなにも大きな墓石その裏でひとりぼっちの蝉の亡骸/自由律を定型に詠み直し
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無花果を採りて一つを゙半分に分けて食むなり行く雲見つつ
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秋桜とススキ装ふ川縁を 歩く間落つる夕日の忙せわ
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夜祭の 着飾る綺麗は ここあそこ いとし可愛いは 目の前の君
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ポルトガル船の種子島での鉄砲伝来が南蛮貿易の端緒といふが
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道端に雀の子あり拾って帰るも手当叶わず庭に墓あり
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花の名を知っているのはイイ男 銀座のママが言ってたらしい
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例えれば台所に立つ母だろう流れに揺らがぬ大岩のごとく
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あり得そうな未来予想が途切れずに今 白い錠剤二つ飲む
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やすむがよい 神のお告げの如くして 今日も礼拝は行けぬけれども(まだ寝れない)
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おままごと みたいな生活コレを 脈々と はやくやめたい 電気はつかない
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見たことのあるような柄のTシャツを手に取ってみる値段見てみる
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引き出しの奥に見つけし手紙束 十九の我らとしばし語らう
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偽物の光と闇の中にさえ君だけはただ光り続ける
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おなじころ おなじ目的でハーブティー 短歌友うたともさんに親近感を
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ベランダの隙間から見る一等星僕の代わりに光り続ける
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久しぶりきみとレイトショー観に行く 湯船で迎える0:00午前零時
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我と同じ 天然なのか 襟広げ ニ足疾走 エリマキトカゲ
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世界一私の事を分かってて そのままでいいと言ってくれる貴方ひと
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久に聞く電話の先の息子の声に重なりて聞く義娘の「おはよう」
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濃桃のグラジオラスの咲く朝は白露と聞きてまだ残る夏
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惜しげなく唯一無二の愛くれた「そこにあるから、持ってお行き。」って
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人間になるため私を売ったのに人生までも売り飛ばしてた
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旅館にて酒をチビチビ これさえも仕事な事を忘れるように
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テトリスのようにベッドで動いてる寝相見ている深夜2時半
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一年目 職場近くの鳥貴族 今日も一皿 思い出重ね
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気がつけば 外では虫の音楽会 月見団子が恋しくなって
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草を刈り 秋の庭へと 衣替え 球根たちも 息をしており
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応援してますの言葉どのくらい嬉しいのかな もう言ったけど
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大好きだって伝える側になりすぎて 重みがなくなっている気がする
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