皆もまた心に重き荷を背負うUtakata 救いの手差し伸べる/題『Utakata』
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ぬか床に三日漬けたる秋なすび 酸っぱしょっぱい佳肴となりぬ
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円形が途絶えぬ髪のストレスよ 二万おろして爆買いしよう!
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九月の変わらぬ陽に照らされ妙に立体的な室外機
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高尚な理屈は僕にゃ分からぬよ自由に詠んで何が悪いと/題『Utakata』
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小難し教本よりも胸響くUtakata運ぶ皆の感性/題『Utakata』
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「箱男」清楚な美少女 変態媚 こりゃNHKでは放映できんわ(映画公開)
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旦那の分まで食べてるという同僚にニ人で死ぬんですかと我
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稽古花はすすきのようなパンパスよ花生けながら 初秋感ず
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気がつけば ラジオ体操 直前に 真隣にくる あなたが好き
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あの空を見つめるきみもぼくたちもおなじひとつの残響だから
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「また二つ始まってます…」美容師が指差す箇所に五円玉2個
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月一で通う美容院心地良く今日も仕上がり大満足で
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卓ポットビニールシート金盥かなだらい昭和な品に今助けられ/排水管更新工事
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シャリシャリと よき音立てて梨を食む 美味しいねぇと目を細める母
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目の前に思いもかけずコメありて手を伸ばしけりパブロフの犬
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一軒家住まいときいて不安げにお一人ですかと営業トーク
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夏終えてススキが揺れる里山に姿を表し十五夜の月
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「介護やり体を壊す人もいる」ケアマネ言うけど、どうすりゃいいの/(介護)
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関係を後悔する日が来たら我は破壊神 われはミカエル
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慎ましく秋桜揺らぐ夕暮れに目立たぬように秋はそこまで
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ススキ摘み ふくろう梟にして 飾ってた いつか父が 作ってくれた
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爽やかな日曜の朝『ぼくたちの失敗』流し家事する夫
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それぞれの立場から見たものごとは事実だけれど真実じゃない
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大勢の友だち呼んで騒いでた母はあの時叱りもせずに
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文化祭初めて触れた手の感じあの人今はどうしてるだろ
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湖を前に露天に浸かる昼 こんな幸せばかり続けば
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窓の下、水面にうつる月を見た。「きみもとらわれて、不自由なのね」
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いけるだろ勝手に減薬寝られずに今からちゃんと飲みますとも
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一夏の海辺で燃えた思い出を産婦人科に捨てに行く秋
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