仲村渠
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なかんだかりと申します

金木犀 慕われていた先生が休職してから半年経った
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明日からもう会えないと言ったならこれまでの距離を悔やむだろうか
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抵抗の拳を見せろ我々は明日も生きる 二十一歳
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憧れが醒めてようやく恋を知る 産毛の光るきみの横顔
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ああ全てが嫌になってどれぐらい経っただろうか おはよう、今日も
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鼻くそをほじる指先の体温がぬるくて丁度いい春の夜
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二の舞も仏の顔も割とある ログインできぬアカウントたち
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悪人に刺されて死ねたなら星座にして飾れるほどの結末
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仕事する、あなたと話す、服を買う、明日も生きる、緩やかに死ぬ
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散歩紐 君の家族が死んだのはだいぶ前だと一昨日知った
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定年を延々と追う それだけの日々の先がぼくらのゴール?
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消しゴムに刺さった芯を擦るたび無数の星が文字を引き裂く
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青空も入道雲も手の平に光った赤もすべて君の色/ドラえもん短歌
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おめでとうついにムラサキカガミから釈放されて今日から二十歳はたち
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ぼくの名をきみが呼ぶとき生涯を終える炎のなり損ないたち
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書き溜めたメモがまるごと消えたので生きる力を無くしています
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渾身の意思表明が笑い事として処理されてゆくリビング
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どうしても許せないことはあります それでもあなたを愛しています
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後遺症 治りかけてく傷跡を「ひどいね」と言うその口が憎い
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手のかかる妹だけが愛されて手の焼ける兄だけがぶたれる
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生きたいと思えば思うほど短歌が下手になってゆく雨上がり
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日記とは記憶の埋葬 美しい君を罫線に横たえて
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君のその好みが分かりやすいところがこんなにも愛されている
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この道で交通事故に遭うために往復しましたか? Yes/No
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悲しみをひとつ残さず殺したの ぼくを許して ゆるしてね、きみ
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知らなかった きみのことを避けて書くのがこんなにも難しいなんて
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生活に短歌は必須ではなくて 追憶の日々に言葉がある
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補聴器の拙い感触 ぼくだけがあなたの耳になれたらなんて
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走馬灯 八万年に一度だけ降る星を見るあなたのまつ毛/アトラス彗星
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きみから貰ったインクの八割はきみの言葉を遺すため死ぬ
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