仲村渠
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71

なかんだかりと申します

補聴器の拙い感触 ぼくだけがあなたの耳になれたらなんて
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走馬灯 八万年に一度だけ降る星を見るあなたのまつ毛/アトラス彗星
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きみから貰ったインクの八割はきみの言葉を遺すため死ぬ
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ことばにも硬度はあって軟水のようなきみの短歌が好きだよ
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生きたくてガチャを回したあの日から増えてく 生きるためのホゲータ
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憧れを恋と呼ばない 市役所の階段と処刑台は似てる
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あくまでも偶然君にバレてしまうと前置く決死の短歌(ラブレター)
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アケルナル 数年食べたおにぎりのように君にも飽きる日が来る
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先生がぽろぽろ泣いた  ああそうか、良いんだ。私生きてていいんだ
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お母さん あなたと同じ歳の人からは好評の私ですよ
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挟まった投げ込みチラシ取り除きやっと正しき感触になる
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ほくほくのグラタンをひっくり返したときから身に付いた品性
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恋心を殺すならばせめて犬として還暦を祝ってしまえ
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短歌を知らない呼吸で生きる君と同じ星座に生まれたこと
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果敢に死に往くちびマリオ 誰もがニフラムを唱(うた)う世界で
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丁寧に生きてる君がクソでかいEnterキーを二回も殴る
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きみがいる/きみがいない の境目を縫うチューリップはまだ透明で
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四句切れば滅ぶ世界を救うため今こそ立ちあ「たかしご飯よ」
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理想は高い方がいい 君がもう死に場所を決められないように
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北極星になれはしない星があり君の世界で名前付き(ネームド)となる
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青春よ いつか無謀な約束も忘れて君は他人になるの?
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死ぬ前に三十一文字になけなしの変人性を消費してゆく
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茜さす午後三時の処刑 どうか君の数字が飾られますように
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デネブ 数千のループの最果てにその身を穿つしずかな(絶叫)
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他生徒の「模範」だってさ。食べかけの弁当でさえ腐らす私が。
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ちぐはぐの制服纏う顔写真 冬のふりした君の髪は夏
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アダーラ あの日からぼくはぼくでなくあなたはあなたのまま生きてる
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春巡る 爪先浮いた靴を履きサヨナラまでの初めの一歩
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コーヒーに混じるお酒の匂いだけがたった一つの父の思い出
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I love you 異音同義の「わたし」から同音異義のそれぞれの「きみ」へ
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