Utakata
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七つ八つ九つ十
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パナマ帽羽織りが粋なお頭が 早く行け行け雪駄で急かし
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真っ黒な濡れたワンコが見えますか 虹滑ってる、あれがうちのこ
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長雨を抜けた先には虹かかる あなたと紡ぐ言の葉の庭
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誰この子この下はだれこれはだれ 男児はたまに団子に変わる
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慣性の法則の法則でまた胸抱かれ 擦り切れているブレーキパッド
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ピンク色 ラメが縁取る貝のよな 霊安室に落ちている爪
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砂さらう脚の形に扇状地 水着に落ちたアイスクリーム
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世界じゅう敵でもいいじゃんその時は私がいくよ笛で呼びなよ
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並ぶのが嫌いな国のキョンシーに パスありますよネズミ夢売る
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白かったシャツに僅かな染みついて校則違反のピアスがひとつ
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長ネギと生姜一片 下処理をして投下する母へのLINE
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電気柵うたれる背なの切なさよ 芋を夢見る猪の子ら
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雨に蒸れ目覚めた闇の枕際 髪を抜きとる老婆の口腔
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不器用な兄が差し出す海老フライ 何も言えずにレモンを絞る
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約束の三年が過ぎお祭りの夜に狐は子を連れてゆき
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夕暮れの社
(
やしろ
)
の木々に影が落ち 帰れおいでと鳥が啼きおる
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ヤブガラシ窓のひそめる空
(
から
)
の家 風鈴だけが夏を待ちをり
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20kmノコノコ走る軽トラを星で蹴散らすわけにも行かず
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「そのうち」を素数で割っていったなら君ではダメと拒絶されてた
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白髪のメイドは窪んだまなこして 主なき城守り続ける
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野辺に立ち 妖し濡れて棘アザミ 絡めた腕に赤がしたたる
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忘れもの指輪は酸で溶けるかな フラスコ内であいを煮詰めて
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思い出をたぐりよせればソーダ水 浮かびはじけて夏を飲み干す
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持たされた袋の中に夏野菜 愛がずっしり祖母まだ詰める
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目も見えぬ耳も聞こえぬ老犬は だから何よと我を引きずり
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背に絡む触手は強く張りついて 初登園に泣く蛸の群れ
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ゆず庵でにわかに流る誕生歌 見えぬ誰かに拍手を贈る
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健やかであらねばならぬ母なれど 先の行方に明けぬ夜もあれ
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そんな事言うんだへえー なめくじに塩したやつになってやろうか
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裏庭で雪いだはずの赤子泣く 眠れ眠れよ水となるまで
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