ひとの手でゆるく畳んで返されてなんだか照れているエコバッグ
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暗い部屋留守番中に一人で観てた 金曜日の夜こだまする声/もののけ姫
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ゲロ千回 ここまで吐くとは思わんだ ちったぁ伝われ おれさまの呪い
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そこに居て欲しい人ばかり居なくなる それなら私が行く場所は何処
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酒に酔い記憶失くしたおまえでも キミのすべてを覚えているから
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丁度良い メンヘラばばあやりまんの おまえが俺に丁度いいんだ
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長い夜 抱ける女がみつからず 酒が相方 抱きしめてくれ
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暑くても 肌寒くても どっちでも イヤな私の わがままなボディ
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もういない君の輪郭ぽっかりとブランケットは片づけられず
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穏やかに 死なない程度に生きてよう 布団に入れば今日は終わるし
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好きな飲み物とかある?と聞いては日が変わるまでジャスミンティーの
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寝たくない通話ボタンも押したいが君が眠るのも見守りたい
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お兄さんカバン見せてで胸を張るちゅーる三本洗濯ネット
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ただいまは最大級の愛だから そこに貴方がいること信じて
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かえりみち 月を見上げて さあ歩け 実家は月が大きくみえる
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毎朝の 純白の心を 引き連れて 都会の空気に 汚しに行こう
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もう二度と会えないくせにインスタで仮想的にきみを繋ぎ止める
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白線を 母似し人と 渡り切り 「ありがとうね」と 安堵の温声
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雨の日も嫌いじゃないの 家に居てカフェラテ飲んで寝たいたいから
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君見つけ じっとり魅入る 炎天下 手元のアイスが 溶けてこぼれた
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ゆるやかに雷鳴一つあったあと雲は薄れる降らないままに       
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いいところだけを選んで抱きしめる器用なわたしでごめんなさい
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紫外線、他人の悪意、死の予兆 目に見えたなら避けられるのに
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いつだって決意の時は下腹に力を込めて闘っていた
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よく知った道を一本逸れただけ 燃えてるようなブーゲンビリア
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月赤く 地球の争い 嘆くよう 愛を忘れず 助け合えよと
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底なしの不安が情報食い尽くしあたまがいたいよねるねるねるね
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気泡たつガラスの海をはめている人差し指が連れ出す電車
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くねられてくねるくねらるくねられられる秋に返しを待つということ
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介護への道ゆるやかに歩む日々 枯れ葉と若葉の交わる木陰
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