昭和では バナナ食えない 高級品 病気の時だけ 買ってもらえた
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あどけなき 仔馬の仕草 心奪わる しんすいす 怪我せず育て 願うばかりよ
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当歳よ 心ゆくまで 母馬に 甘えて遊べ 別るる日まで
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春なのに花粉に邪魔され外出を思いとどまり寝転ぶ土曜日
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冬満月 羅針となりて 光あて 人々まもる 尺度となりけり
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明治より戦の続くこの国に八十年近き静謐せいひつの日々
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あどけなき 当歳コウマの瞳 何を見る 北の大地で じゃれ合う友か
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高らかに 歌い踊れよ 丹頂よ 北の湿原 暫しマハラジャ
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大鷲も 恋の季節が 始まれり セイある限りの 伴侶を求め
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予報では寒波狭間の温かさソメイヨシノもわずかに膨む
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発達障がいでこぼの 我の生き様 家族まわりは治せ 精神科医いしは個性と 悩ましき日々
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かの歌の ビニル袋を てぶくろに かいごしょうどく 往時よみがえる
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チョコ苦手だというきみにチョコあげてそのチョコをもらう聖なる儀式
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夜間開く店の明かりが灯る坂自転車で駆ける贅沢
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再生機 製造中止 思い出の あの曲もみな 幻となり
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歌詠みを 続けながらも こころ無心から 動かぬ気持ち 砕け散りゆけ
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逝きたくて それでも泣けぬ 苦しさよ せめて愛しき あの方思ふ
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おもしろき こともなき 世をおもしろく 生きる心は 破壊されにし
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サラメシも仁左衛門も終了か どうしたんだよ中井貴一同い歳
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堕落した 世の誘惑に 陥りし 人が蠢く 煉獄模様
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ライブ版でOSをさまざまに試す我は試着室での妻に似るやも
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生き甲斐は どこにもあって 安上り 悪の華から 天の道まで
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祭日でメンテが来れぬもどかしさ上唇の口内炎なめ
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静謐の待合室でなりひびく文春砲の中身知る朝
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ふつきれた女がただすこの国の歪み黒塗り男の勝手
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なんやねんこいつほんまにはらたつなぁ関西弁で愚痴るもひとり
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2月でも 上着を脱いで 畑仕事 頼むよもっと 温暖化して
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もうきみはひとりきりでも進めるね 誇らしい顔のつがいの補助輪
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十五年 病に耐えし その身体 お疲れさまと お空へ返す
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晴れの日に 空に返しし 愛犬の 遺したもので 心塞がれ
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