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背と腕を伸ばせど空を取れず取る桜の枝に春思ふ秋
14
便りなくそっと現る叢雲に かつての月を 重ね呆れし
6
〆茶漬け出汁に肴の焼き手羽の骨と和出汁と梅とお新香
15
海の青さをなぜ知るのだろう曇り眼で見た空なのに
5
あれからの
三歳
(
みとせ
)
の月日よみがえる夜汽車の窓に残せし貴男
15
恋の歌奏でる手もと文届く今夜は黒き縁取りありて
16
解放の後に湧きたる空腹よ都市伝説か
無料
(
タダ
)
のカツ丼
8
「バァァーン」 「ヴォォ~-ン」と 家は消え 戦争などは 空疎の極み
11
夕暮れの交番見ゆる標語あり「レターパックで現金は詐欺!」
13
職質の交番の中そこでさえ標語肴に一首を詠むか
12
気がつけば五七のリズム何処でさえ指折り数ゆ我は不審者
20
日暮れゆく時の遅きを覚えたる帰路の車窓に流るる
灯
(
あかり
)
12
生きていく 障りありしも
蛹時
(
さなぎどき
)
人とひと世に 歩み揃えて
18
脳の中 増幅していく 幸せが 実をいうと 違うのにね
4
あなたと 吸う煙草 永くあれ 蚊取り線香 よりも永く
4
AIに 返事頂く 20回 明快なこと 曖昧なこと
14
夢に出づ歌のことを思い出し恩師を思う風のささやき
7
地を隔て会話する今日、時も違え、国も違えど、心触れ
6
僕の持つ時のすべてが尽きる日のためにあなたの笑顔をそっと
12
緑空
(
あおぞら
)
に望む風上火を吹いて逃げるは他者か
我
(
わ
)
が運命か
7
土砂降りの雨に流るる涙には悲しみではなく空っぽがいて
9
残り香の後ろめたしき行く末の
我
(
われ
)
が夕陽の
疾
(
と
)
くと落ちけり
8
異国語の虫が脳裏に張りついて蠢くさまをまざまざ感ずる
5
永遠に隣り望むと言うた君
何処
(
いづこ
)
に行かれ心残して
6
刺殺する 手応へをフト 識りたくなりぬ 己が手首に 刃をあてる
4
配信で九九さえいえぬ君だけど 計算し尽くされたあざとさ
4
アイスティー 氷がすっかり液体に。気付かぬ君は薄味だと笑う
4
世を忍ぶ仮の姿に身をやつし 薄れゆく自我 苦しくもなし
8
空気読み皆の意見に頷いて 擬態の解けぬアマガエルなり
9
別班のゆくえ気になる日曜の夜は「VIVANT」を正座して見る/題『別』
4
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