背と腕を伸ばせど空を取れず取る桜の枝に春思ふ秋
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便りなくそっと現る叢雲に かつての月を 重ね呆れし
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〆茶漬け出汁に肴の焼き手羽の骨と和出汁と梅とお新香
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海の青さをなぜ知るのだろう曇り眼で見た空なのに
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あれからの三歳(みとせ)の月日よみがえる夜汽車の窓に残せし貴男
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恋の歌奏でる手もと文届く今夜は黒き縁取りありて
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解放の後に湧きたる空腹よ都市伝説か無料(タダ)のカツ丼
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「バァァーン」 「ヴォォ~-ン」と 家は消え 戦争などは 空疎の極み
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夕暮れの交番見ゆる標語あり「レターパックで現金は詐欺!」
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職質の交番の中そこでさえ標語肴に一首を詠むか
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気がつけば五七のリズム何処でさえ指折り数ゆ我は不審者
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日暮れゆく時の遅きを覚えたる帰路の車窓に流るる灯(あかり)
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生きていく 障りありしも 蛹時(さなぎどき) 人とひと世に 歩み揃えて
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脳の中 増幅していく 幸せが 実をいうと 違うのにね
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あなたと 吸う煙草 永くあれ 蚊取り線香 よりも永く
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AIに 返事頂く 20回 明快なこと 曖昧なこと
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夢に出づ歌のことを思い出し恩師を思う風のささやき
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地を隔て会話する今日、時も違え、国も違えど、心触れ
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僕の持つ時のすべてが尽きる日のためにあなたの笑顔をそっと
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緑空(あおぞら)に望む風上火を吹いて逃げるは他者か我(わ)が運命か
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土砂降りの雨に流るる涙には悲しみではなく空っぽがいて
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残り香の後ろめたしき行く末の我(われ)が夕陽の疾(と)くと落ちけり
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異国語の虫が脳裏に張りついて蠢くさまをまざまざ感ずる
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永遠に隣り望むと言うた君何処(いづこ)に行かれ心残して
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刺殺する 手応へをフト 識りたくなりぬ 己が手首に 刃をあてる
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配信で九九さえいえぬ君だけど 計算し尽くされたあざとさ
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アイスティー 氷がすっかり液体に。気付かぬ君は薄味だと笑う
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世を忍ぶ仮の姿に身をやつし 薄れゆく自我 苦しくもなし
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空気読み皆の意見に頷いて 擬態の解けぬアマガエルなり
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別班のゆくえ気になる日曜の夜は「VIVANT」を正座して見る/題『別』
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