ヒートヒートテックがデフォでベッドでは毛布毛布がデフォでエコだね
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忘れるな 落ち葉は冬の季語なれど冬を迎えず散った葉もある
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「北風と太陽」のよな弥生の日 ぬくい日差しでコート脱ぐ午後
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犬たちは欲しいものが分かってる羨ましいね君たち優秀
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永き日を共に過ごした本棚に廃棄の文字は弔いのよう
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思い出と本が詰まった木の箱に別れの札は愛の言葉か
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さかいめは当然現れ目喰らわすチェンジなんだよ仕方がないさ
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ついてよい嘘といけない嘘があるわからぬならば嘘などつくな
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今晩もあなたは背中むけたままブルーライトを目に点滴する
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キミの「好き?」 いつもの笑顔かおで俺に聞く 「君がすきだよ」ほんとの気持ち。
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男って やれる女に優しいと、言うのはほんと? 俺もそうなの?
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大学をしぼったような味がする110円のグラスワインは
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神だってウソをつきたい日があってたとえば晴れた日の雨のこと
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想いなど どれだけ強く焦がれても ひとには見えず 伝わらないよ
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家 幼稚園 学校 習い事 会社 サークル いつも所属の気配だけがある
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やっぱり私の子だね その言葉のために生きている 惨めさ
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ガーデニング 母が唯一愛したもの 我もすなるかなと庭を耕す(母の子だから)
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憎み、愛し、恨み、倣う 母と同じものになってゆく
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自身の肉を食らい いつか消えることを願う 悪癖
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暴力の象徴たる母の手 今や温く我に寄り添い 媚びる
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愛する母と心中未遂せし兄達を羨む 埒外の我
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青春を味わう前に噛み砕く血の味の方が似合っている
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「愛してほしい」ふと口ずさむ回数が減って 婆あになった己を知る
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どこかに行きたい 家に帰りたい でもここが家なんだ どこにも行けはしないんだ
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シーグラスの如き母 棘も濁りも 我が傷へと捨て果てつ
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私にも可愛い頃があったわけ 怪獣だってきっとそうだよ
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お礼受け 鵜呑みの自分振り返り 重ねた親切 穴入る道化
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午後からは桜見ながら散歩してゆるり歩けば雨も降りだす
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生きている夜夜夜は一人ハグするしかなくて 人との散歩
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遠い目の先の幼子なにおもふ我に子どもの年聞く人の
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