さいとう萩
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電車から有刺鉄線眺めては風景たちは閉ざされている
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カーテンの縦縞模様夜になり天の川から降り注いでる
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故郷へレールの軋む音につれ湘南新宿ラインの窓辺
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夜だけはずっと遠くへ行けそうで夜鷹になって光を追って
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足音と想いの混じる春の道 桜が白く染めてゆくから
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春の陽は真っ白すぎて眩しくて 私はずっと色のないまま
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故郷にも知らない土地にも春が来る 思い出すのは遠き日の花
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甘すぎて苦くなってたチョコケーキ作った自分の心の鏡
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戦争の空爆みたいな大花火 ずっと平和でありますように
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映画とは違う人混みで 夏祭り いるはずのない相手を探す
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海の香は何処か遠くでわれ誘う 普段嗅がない母なる水面
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プラトニックって何だろうねと言いながら頬張る君の麻婆豆腐
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白妙の雪は地面にしがみつき 乾いた土を静かに濡らす
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夕方のように明るい夜の空 雪が運んだ太陽見れば
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いつかまた あの日の笑い声のような 日々を願いて かたしく眠る
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寒き日も 宇多田ヒカルのジャケットが かたしき夜も見ていてくれる
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男しかいない校舎で過ごしたる 街でじゃれつく ペア見て苦し
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天つ風 とどめる天女もない我に 冷たく吹かず温めてくれ
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白妙の お空の雲はいつの日か 全てとともに 我に落つらむ
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冷たさが何だか妙に心地いい 炬燵一つのリビングで
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寒空に 雪になれない雨つぶが 大人にならない僕たちに降る
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我が指は冷たくなって鉄となり シザーハンズを思い出すとき
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