爆撃の報せ聞きつつ朝餉あさげ食み平穏といふ常を知るらむ
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今はどこかのこどもがあの霜柱をめげずに踏んでいるのか
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八百とあと一つだけ塗り重ね振り向かないでねじゃあねさよなら
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滑り台に登ってみる「なんちゃって」振り返ると階段は急
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食欲を増進させる薬出し 絶対それを認めない主治医いしゃ/「自己責任です」
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寒緩み買い物帰りにセカストで明るき色のコート手に取り
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通院の帰りのご褒美 アイスかな セブンティーンアイスのある駅
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注文のQRコードを読みとれば まなざし優し子と春の昼
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注射後にアウアウ鳴いている犬を宥める獣医のやわらかな声
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五円玉十円玉の幅きかす駄菓子選ぶや子らの王国
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「ありがとう」不意にこぼれて春の日に ミニカーだけが知る青い空
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気取られず 闇が飲み込む 花畑 花を摘みつつ背反りて光
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由なんてない気まぐれに逃がさるる蜘蛛殺さるる蜘蛛朝や夜
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これ以上成長することなどないとあの日思った今日も思った
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あの時「ケツゴム(笑)」と笑ってくれたからシもツもソもンもきれいに書ける
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もう二度と 目覚めないかも そう怯え 眠りについたのは いつが最後か
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金沢でおでんにはたはた暴飲も 3キロ泳いで帳尻合わせ
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鳥居越し 国旗がそよぐ 拝殿へ 日なた日陰を 通り行き交う
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世界平和なんて無理かも、ジョン・レノン。こんな小さな職場がギスギス。
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目くらいは合わせてくれてもいいのに、と思いつつ私、目を伏せている。
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生きづらい、生きづらい、ってつぶやいてる人の彼氏の年収を知る。
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スーパーのチラシに家族が溶けていて私自身は何も見えない
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天をつく梢めがけて花昇り白梅の咲く枝黒々と
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曇天のもと 椿の鮮やかなあか 余寒の朝に 彩り添へり
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鳩のこと何も知らない すべからく鳩も私を知らないだろう
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隠れ蓑羽織る数だけ身は軽く化身ふえゆき我も誰やら
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如月のきっと結んだ糸口が解されてゆく「や・よ・い」という音
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だめなこと おかしいことに 声を上げ 守っていこう 明日の世代を
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平日の 午前十時 駅近は さえずり靴音 子等の歓声こえあり
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ひよっこが 意味わからずに 歌わされ あの素晴らしい 愛をもう一度
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