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飽和した 世界で私は 腹が空き 夜が来るなら 眠くなるのだ
5
自らにこの世を去った弟へ 捧げよ煙 染み渡る肺
7
青空の下をてくてく好きな場所歩いていけるそんな幸せ/膝痛
32
「一鶴」の骨付鶏を取り寄せて 遠い讃岐の暑さを想ふ
15
この頃は 原因不明の 高温に 季節外れの 氷を掻き込む
4
ケンタ鶏ナイフとフォークで食べること 私は一つの美学にしている
14
ぬか床に胡瓜とにんじん埋め込んで 隙間にオクラをねじ込んで待つ
19
枝豆の両はし切りて茹であげて 絵鉢に盛りて夏を眺める
22
「眠れずに
隈
(
くま
)
ができた」と笑う君 私の所為でありますように
6
振り向けば あっと言う間に過ぎてきた 一年十年 多分一生も
17
万緑をロープウェイにて眺むれば枯れたる杉のシミとして在る
10
あれとあれ あれも入るな あれもやな エンドロールの 俺のNG
4
田の緑色は匂えど風に揺れ涼味一福風鈴の音
7
薄れゆく写真に記憶の再起動 四十年の過ぎし日想ふ/
A
I
により鮮明に
7
一定の 間隔刻む 秒針は 六十秒で ちょうど一周
5
垣間見える 折り目を見ながら 邪推する 二人きりの部屋 掃き溜めの鶴
5
詰替えがボトル品より割高はリデュースなぞも馴染みがたしや
6
アガパンサス 名を覚へらば 「あ」がパンを指すと
夫
(
つま
)
との
可笑
(
をか
)
しな会話
22
どこが好き? 好きになるのに 理由いる? 他の好きには 理由を言うじゃん
5
不器用で 泣けないわたしの 身代わりに 大雨は降る 爽快なほど
28
思い出をたぐりよせればソーダ水 浮かびはじけて夏を飲み干す
8
6時間 喋り続けた サイゼリア このあとどうする? ドトール行こか
3
たのしさと おかしさときた かなしみに きみもきたのか おちゃでものもう
4
長雨にふさぐ心をなぐさむと黴を拭ひてひとひ経にけり
6
胤落ちて還るあてなき無二の空 ゆかりの里に一休みする
10
ハイ!という キミの返事で 始まって うん…という 俺の返事で 別れたふたり
5
青春が 我にもあったと 思わさる フェンス向こうの 空とファイ・オー
7
長生きはするものだってじいちゃんが電子マネーをかざす自販機
35
ああ俺は何年分を思い出せない たった今蟹座が1位に
2
こぶりなる紀州みかんを
有田
(
ありだ
)
むき孫はまねする炬燵のむかい
11
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