丁寧に菓子のおまけの封を切り発熱のあに見舞うおとうと
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子を抱きて土手かけ下りて冬晴れの草にまみれて笑ひ合う午後
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言の葉の未知のかほりに絆されて追いかけてゆく殻をぬぎすて
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日常を否応なしに奪われた人生きてこそ『戦争語彙集』
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道すがら荒れた庭にも水仙の家人の病むやうつむき咲きぬ
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目が覚めて 今日はどんな メイクする ワクワクし日々 早く戻れよ
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早朝のヨガと読書とSNS 私のための 私の時間
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明けてゆく 月曜の朝 丁寧に 珈琲を淹れ きみと体操
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近年は凍らぬ湖 諏訪湖ゆへ御神渡おみわたり神事水鳥知らずや
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板の上、大編成のソロを吹く あの刹那とき私は音楽だった
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庭にで 夕餉の逸品フキノトウ 苦き天ぷらあちらこちらに 
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新雪の道に押されたハートのハンコそうか茶トラはあの家の子か
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人嫌い、日々常ならむことをせむと 少女戯画より気付きを貰ひ
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八月はあんなに熱いボンネット冷たく変える二月の日差し
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真面目さが痛手となった息子にもきっかけと言う始発が動く
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筋トレをしてたのラインに飛び起きて鬱の支配に勝ったとおもう
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今日だけの この暖かさ プラス5度 残りの二月 厳しさプラス
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現実がどうにも汚く映るからハッピーエンドは暗闇がいい
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大丈夫ではないけれど大丈夫 だって君がそう聞いてくるから
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我と犬 ふたりのための ストーブが ひとりのためと なりぬ如月きさらぎ
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香水をこれから寝るのに付けてみる夢で匂いが色彩となり
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寄りてなお薄紅梅のこの道を折り句っていう表現技法
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先輩がお礼代わりに句をくれるこうやってココロ掴むんですね?
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渡せない 鞄の中のチョコレイト 苦くて泣いた  あの青い春
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いただきし 十二の供花 枯れていく 切なき想い 胸に再び
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これからの 君が歩んでゆく道に 温かなが 差しますように
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まん丸にだいぶ出てきた我の腹 長女はたまにおずおず触る
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二個入りのパックの八朔買ったけど一個の半分傷んでいたんだ
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日曜の夜の悲哀は なぜ人に 年間休日休みを増やせと 教えなかった
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月曜の来る朝はみな憂鬱で芯のあるキャベツすらも憎い
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