人の皮かぶって生きる猫なので棲処すみかへ戻れば整理も知らず
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晴天に ビタミンカラーの 花を植え バッタの赤ちゃん 元気に跳ねおり
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もう生きてないのに揺れる鰹節お好み焼きの上で狂って
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暫くと顔を合わせる従姉らは私が顔を知らない人と
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落ち葉追う風の音にも秋の色 歩く楽しさ思い出させる
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秋の空どこまでも高くどこまでも限りなく広くどこまでも澄みわたる
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散歩するウェブの鏡星の海冷たい宇宙で3i アトラスを探す
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潮騒や雀は秋の波間にて蛤となり潮香しおかに溶ける
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角曲がりサッと隠れてやり過ごすチラッと見つめる眩しい笑顔
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人はなぜ生きるかと問う甥の目に映る世界よ鮮やかであれ
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土曜2時 ベッドの上で 飲むミルク酒を美味いと思えないまま
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巡礼が三十三所を回りし後にお礼まいりに菩提の御山
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山城に西国巡礼あらたになされた法王ゆかりの薬師の御寺
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観音を御山に仰ぎ上人に得られし心で感謝を捧ぐ
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朝の薬を飲み忘れたから(体調不良で)時間休 帰ってくるキミに カレー作れるかな
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行きつけの 飯屋入るも つまらなく 食べた事無い 品を冒険
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我失せばたまやいづくに赴かん。羅馬をば見ばや。むくろ朽つとも。
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聞き飽きた やすいことばのリフレイン 底なし沼の水面みなもをゆらす
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カップ麺ときどきならばご馳走でしみじみすする麺の喉ごし
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吹き渡るブラスバンドの演奏は風にも負けぬ強き光で
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「障害者らしくないね」と言われた日 やまない雨とあけない夜と
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虫かごに 残るひと声 鈴虫の 羽根かすかにも 秋はゆくなり
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秋晴に今日も蝶々が飛でいるまだまだ花が夢があると
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身に染みて詠んで読まれて磨かれる心の玉に輝き求め
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「こだわり」というならこだわらせてください。必要だからこだわるのです
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ギシギシと揺る窓のなかで伏せる日は箱にしまった玩具のようで
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隣いるかの鳴き声寂しいの?いるかもくしゃみするんだね
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電池切れ健やかな寝息を聴く車内来週はあの公園にしようか
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運命を分かつ街路樹 片側は 建物解体もろとも伐採
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寒すぎる秋風が吹き今夏の余韻の暑さを奪ってしまった
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