赦します食べるということ生きること矛盾を背負って食べる私を
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死まぢかに 何を想うか 我のこと 少しは想うて くれたらハッピー
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嘘つけば瞬き多くなる君の優しい嘘に騙されたげる
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運転を見合わせますが振り替えで空への道は開放します
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人などは恐るるに足らずとそのネコは背中を向けて木陰に消える
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可視光の外では眩しすぎる星を天文台でこっそり覗く
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きみの目は鳩に似ている争って白いつばさ血で濡らす鳩に
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成獣の青年たちはせわしなく生産性を責められている
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楽しいにしてほしいのはわがままか きれいに舐めたいスープ皿まで
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冷風や羽織着んとて着て行けば 歩きて暑し春のうららか
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ヒルクライム山登り 苦しい中に楽しあり 己を鼓舞し ゴールを目指す
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知らないよ  私なんかにかまけてて  大切な人を守れなくても
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忘れててほしい  嘘だよ  ちょっとくらい苦しんでほしい  私のために
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短歌詠む 二十代わかもの多きと 報道に 我も嬉しく 春の中詠む
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星々の紡ぐ運命さだめの物語 読み解けぬまま流されている
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休日は 正午のサイレン 鳴るんだと 聞けば毎日 鳴ってるという
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どうせなら さくらの花弁の 一枚も 運び寄越せよ 春風として
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木洩れ陽が揺れて生み出す織り模様 記憶を漂い曖昧とす
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愛されているから愛しているんだと気づく愛はエゴイズムなり
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穏やかなが差し込む 幸せな気怠けだるい疲れ満喫中
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白き肌を情熱的に刺激的に愛してほしい麻婆豆腐
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庖丁はもっと短くあってほしい 死んじゃいそうで君を刺せない
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一面の山萌葱もえぎふか若草わかくさ 色とりどり緑の花咲く
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葉に落ちる蝶のわずかな身ぶるいにやがて開かれた純白の羽
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驚きて 布団に座した 寝過ごした 外は長閑けし 鳥の囀り
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安物の我が靴すぐに駄目になる日々の買い出しなかなかどうして
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「御祝儀にあんた壱円って書いたあったわ」姉笑う。つられて笑う
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帰り際「ヘルパーさんは呼ばないで」姑の目が二年ぶり燃ゆ
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この時期に「ブラックホークダウン」見ていいものなのかじくじくするぜ
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八重桜  房ごと落ちた  花、拾い  髪に飾りし  娘、甘心
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