ねこ母は 麦酒びいるが好きだ かなり好き でもたまにはね 合わぬ種類やつもある
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あなたのわかって欲しい全部独り占めあたしが全部分かればいいでしょ
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電車にて「ねえ」と言う声合わさりき周りに気の合うことを知らせて
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安売りのスイカのサイズチェックして一人静かに満足をする
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太陽が大声出して殴打するみたいに強く私を脅す
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南国のプールサイドに寝そべりてウォータースライダー滑る君を見ている
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海色のコントラストの大空に今こそ上がれ七月の凧
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夏の日に頭を垂れるひまわりの覗いた顔の暗い表情
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ドーナツの穴に対する回答のひとつとされるこの世の私
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きらきらの光あふれる宝石に這わせる舌から痺れて落ちる
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「まだ帰りたくない」なんて駄々こねてるみたいな雷
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かき氷よく行くお店はマツモトよ?年に何回ぐらい行けるの(ハワイにあるらしい)
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月を見て綺麗と呟く君がいる僕は月など見てはいけない
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空を切るボディソープの音がして君がいないこと思い知る夜
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戦争と宗教と花屋の値札教科書通りの○×クイズ
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手つかずの不幸話にロマンスと頂き物の呵責を一つ
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稲妻が掛け巡ることで初めて身体が定義されし夏の日
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こんなことするのはあんただけですと母の叱責ふと思い出し
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突然の雷雨も降るなと言わないが花火大会無い日にしてくれ
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題名も知らぬあなたの鼻歌を忘れてしまわぬ様に埋めたい
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普段なら 雷鳴りて 明ける梅雨 雷雨轟き これで夏来る 
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ヨドバシとリンクス延々彷徨って目的遂げた時の嬉しさ
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淋しさが 我を誘い 喰らう呑む ひとり誤作動 飛ぶリミッター
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寝る時はネルシャツを着て寝るんでしょ そういう話は信じるんだね
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夕闇の静かに迫る ため息の 一つ分ずつ黒染まる庭
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仏様 千々壊るるも 仏様 死骸を目指すは あぷあぷ嬰児
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あばら骨 腕を通して 亀に似る 隣家の火事に 白痴は唸って
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花を愛で 鳥も愛でても なおむなし 糞から咲いて 虫の血が流るる
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有害な 鳥獣捕獲 決行の 速報を聞く もの悲しさよ
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夏が傾けば思い出すのは腹の破れたメスガエル 母知らずとて ケラケラ跳ねるグロテスク
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