Utakata
登録
Login
カギザキ
フォロー
17
フォロワー
14
投稿数
135
十数年ぶりの短歌復帰です。
1
2
3
4
5
次 ›
最後 »
安っぽい椅子に一人で座ってる 青いソファーは広すぎるから
7
人は会い愛され別れて淋しさの本当の意味を知ると分かった
8
よちよちと歩いてた時は合わせてた 歩調を今では息子が合わせ
9
階段を降りる時には左手を 添える手すりにいつからだろう
11
右側は歩く人用 暗黙に決められているエスカレーター
4
いつのまに恋に高鳴る胸を知る 青き時代の死なない少女
6
僕たちが夜を一緒に越えたのは 寂しさを埋める為だけじゃない
9
触れられた指の細さに驚きて 腕引っ込めし十四の夏
13
涙など見せない貴女のぼくで居たい だからこの手は離せないんだ
4
末妹がコップを割ったと言う次男 そんなに怒るな所詮
100
円
7
10
月の
5
日に貴女と逢う僕は地下鉄に乗る自分を想う
7
君を抱き時が止まればそう願う それは叶わぬ朝日を睨む
6
寝坊した? まだ濡れた髪シャンプーの香りと見慣れぬスポーツシューズと
4
長男が生まれた朝に後悔す 酷い時代に落としたものだと
7
末妹とのままごとだってちゃんとやれ 子供騙しで子供は騙せぬ
5
去りゆくは他人の背中だ女は言う ないものねだりの貴方はいらない
5
僕の声聞いてか聞かずか窓際で 君が見つめた桃色の空
6
日の入りの早くなりたる秋空に 雲は流れて草花舞いて
7
通販の僕には小さいニット帽 娘に被せて可愛い親馬鹿
13
揺らされて口づけしても爪を立て そんな痛みも恋しく秋風
6
『父親は泣かないもの』と信じてた 五歳児ドアに手を掛け佇む
11
長き脚すらりと伸ばして水溜まり 跳び散る水玉 湧く湧く歓声
5
親が死に僕が死にゆき 子が続く 順番通りだ泣くのは終わり
11
明日の朝 いつもと同じに世は動き テレビは笑顔を映すのだろうか
4
あまりにも あまりに簡易な納骨儀 最も恐れた
女
(
ひと
)
が散りゆく
10
頬に触れ 雪かきの後の母の頬と 同じ冷たさ まぶたが痛い
12
あなただけ抜け落ちた世に咲いた花 場違いなほど高過ぎる空
8
「その人が好きなら言えば?」「いま?」「ちょっと… ここにはあんたとあたしだけだよ?」
6
青春と懐かしがるには酒の香と女が匂う海を見る道
8
喪主という名だけは立派な我の背は 頼りなさげに見えただろうな
13
1
2
3
4
5
次 ›
最後 »