Utakata
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カギザキ
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十数年ぶりの短歌復帰です。
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『父親は泣く事ない』と信じてた 五歳児ドアに手を掛け佇む
10
長き脚すらりと伸ばして水溜まり 跳び散る水玉 湧く湧く歓声
4
親が死に僕が死にゆき 子が続く 順番通りだ泣くのは終わり
11
明日の朝 いつもと同じに世は動き テレビは笑顔を映すのだろうか
4
あまりにも あまりに簡易な納骨儀 最も恐れた
女
(
ひと
)
が散りゆく
10
頬に触れ 雪かきの後の母の頬と 同じ冷たさ まぶたが痛い
12
あなただけ抜け落ちた世に咲いた花 場違いなほど高過ぎる空
8
「その人が好きなら言えば?」「いま?」「ちょっと… ここにはあんたとあたしだけだよ?」
6
青春と懐かしがるには酒の香と女が匂う海を見る道
8
喪主という名だけは立派な我の背は 頼りなさげに見えただろうな
13
「お姉ちゃんドレス」とはしゃぐ幼子は 黒い喪服で跳び跳ねており
9
六年の死地へと向かう病床は 肉だけじゃなく希望をも削ぎ
7
紙袋二つと白い骨の壺 こんなに軽い旅路じゃなかった
11
見たことのあるような柄の
T
シャツを手に取ってみる値段見てみる
10
引き出しの奥に見つけし手紙束 十九の我らとしばし語らう
12
許し合い抱き合い眠る日々想う そんな二人の恋愛錯誤
7
夏と秋 季節と共に訪れる 二人の変わり目 かぜに気を付けて
6
たぶん今日 初めて会った人なのに 誰に似ている誰を見ている
7
てのひらの上に残りし土の香は 遠くなりゆき八月の原
9
真夜中の電話だれかにとって今はたった一人のひとかもしれず
6
微笑んでいるしか出来ないこの声の限り叫べば届く恋なら
7
ありふれた言葉ひとつに踊らされ それをまた君は恋と呼ぶのか
6
初恋という二文字を耳にして 振り返り見る君と誰かと
9
僕のこと見つめうつむきまた見つめ 少し笑って貴女は告げた
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君の飲む姿見てるとひらがなの響きが似合う『みるくこおひい』
5
ソックスをたった一足洗えれば あなたの今日はきっと百点
8
憧れた華やかな灯にうずくまり 君は生まれし町を夢見る
10
「図々しい」なんて文句も入れられたコーヒーがいつも妙に美味しい
6
励ましは時に重荷となる事を 今さら気付いた父親がいる
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ものがたり ある青年が恋をした どうでもいいけど でも物語
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