Utakata
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カギザキ
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十数年ぶりの短歌復帰です。
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寄り添って歩く誰かの幸せを微笑ましく見る自分に安堵し
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君の持つシャーペンひとつが愛おしく想えるそれが恋なんだっけ
7
あなたとの愛の終わりの告ぐ朝日 男と女を他人に戻す
4
泣かせてはいけない心を持つ君の代わりに泣いてよ月曜の雨
5
この部屋に置き去りされしヘアピンに 絡まりおるか唯一の君
4
若過ぎた日々とはきっと十字路の真ん中に立っている様な気持ち
8
トーストの焼ける匂いを乗せ風よ朝日にかかる雲を開けよ
8
向けた背を掴みきれない残るのは手のひらのうえの乾いた砂粒
8
くちづけて愛を誓ったひとに今「オメデトウ」なんて拍手している
13
好きだって何度も聞いた でも君は 愛しているとは言わなかったね
5
帰らない いつかのあの日のくちづけを 待った日の雨も晴れた行こうか
3
最終の 電車に揺られて愛されぬ こと知る二人が並んでおりぬ
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君の声 近くに聞いていた だから 傘の中の僕は 雨を愛した
5
長き影 引きちぎり駆ける吾子の背と 影を引き摺り歩く吾の背と
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君とまた 笑顔で逢える日はたしか 四月三十一日の夜
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