カギザキ + 7
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十数年ぶりの短歌復帰です。

カーテンを開き西日を呼び込んだスマホじゃないもの見ていて欲しくて
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柔らかな髪にうずもれくちづけた幸福という名前の恐怖
5
君だけは偽物なんかに惚れないで 作った私に惚れないでいて
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最後の君 微笑み言った「ほら早く次に壊す女 探しに行けば?」
5
人ひとり育て愛するそれ以上 大切な事この世にあるの?
8
嘘ついて 見えないところで悪さして それでも二人 なんとか幸せ
9
若き脚 駆け跳ぶ夕陽のアスファルト 初めての君を想えば知らず
2
口先の僕に対する君の目は 氷までもが凍える様で
5
見つめては ならぬ夕陽になぐ髪に 瞳を逸らすこころ残すも
6
遠足に行く日の朝は ぽんぽんと弾む足音ひらり水筒
7
今はまだ心は遠い だけど不意 近づくと気付く頬の熱さは
5
北国は 桜に雪が舞うらしい 笑っちゃうよね 我が町ながら
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自分のね 心は潰した きみの子に 微笑んでたのは 本当と思う?
2
辞書を繰り『結婚』の横に『血痕』があると嗤った君の深淵
10
花言葉 手前の本には『親愛』と あるけど隠れた本には『憎悪』
6
引っ越しの最中 悩んだ片隅の『その他』の小箱は捨て去るべきか
10
色弱ときみは自分を笑うけど青い桜を共に愛でたい
11
暗黙の契りである様に二人とも 口にはしない『もっと早く』と
4
コンシーラー リキッドファンデ アイライン これで虚しさ消せると思う?
7
きみに逢う前日 春色カーディガン 華やかに映る女は盗人
3
左手の薬指にその目障りな銀色の輪を嵌めたのは誰だ
5
歯をぶつけ 合うくちづけすら 厭わない なのにどうして どうして離れる
4
あなただけ それは嘘ではなかったの あの瞬間は そう願ってた
6
身体だけぬくもりの中に置いてても何故か一人のベンチを想う
6
強き風 眼を閉じ「いいね」という君のそばに居たいとただそう願う
3
安い部屋 今は『あなたの私』でも 真夜の電話に怯える寂しさ
2
後ろ髪… なんて間違い へばり付く 大気の中で 脚が進まぬ
2
窓開けた瞬間どっと吹き抜ける 春風と踊る君のストール
8
待つ時はぬるりぬるりと進む針 あなたのそばでは何故に素早い
11
親離れ『ギャリギャリ』『がんがん』口内で 始まり終わらぬ突貫工事
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