他人ひとの為「死にたい」と思う我が死にお前は生きる あってたまるか
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規則的かつ不規則に降る雨が脳の隙間を埋めて溺れる
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プロポーズ 百万本のバラよりも 一言お前が好きだと言って
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たくさんの もしもを超えて 現在ここにいる 偶然だけど 奇跡的だね
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あなたとなら 許されない この恋に みをゆだねて 溺れてみたい
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いつだって 右や左や 最適解 選んだはずが 巨大迷路に
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「地獄」というルビが振られた February 「バレンタイン」に 上書きしてよ
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親ガチャと言うは易きこと 国ガチャはずれた人を思えば
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月明り雲速く流れゆき 動かぬ光あれはシリウス
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エアコンが壊れた自室でひとりごつ32度は俺の部屋じゃない
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手をつなぎ顔をよせ合いいつまでも愛のささやき語り合いたい
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ゆっくりと 明るくなっては また暗く 雲の流れを 窓辺に見たり
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あげられるひとがいるのは幸せだ 見つけたものもことばも愛も
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はにかんであなたにあげる 気に入ったものの一番おいしいところ
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スーパーで息子と連れションなんでかな妻に対する優越感
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早々と友の忌明けの迫る中一人残さる夫君の嘆き
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世界ここに在る素敵なものを「素敵ね」と 言う仕事に就く履歴書は書いた
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桜の葉 紅葉前に 散り行くを 我が行先と 重ねて案ずる
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桜の葉 紅葉前に 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ
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友だちに、愛する人に恵まれてきつく手を組む お目こぼしあれ
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愛してる。あなたのおかげでにんげんになれたの、愛すことをつかんで
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神社の神輿坂登る三台を見送り買い物する夕暮れ
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受け入れてくれたあの日の安心がいまも貴女を愛しているの
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べきばかり言う年輩と付き合うなそんな忠告傾聴すべき
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哀しみも通り雨のよう心ではskip my feet 水溜り 、晴れ
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この街の一部としての私から穏やかな色を残す日のため
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いつでもあなたに逢える運命のどこでもドアがあればいいのに
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思い返す日に慰めになるような小さな花を日々に咲かせて
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恋なんてあったんだっけと油断して君の写真をみて爆ぜる胸
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下草の茂みに立てる露草の青 凛として秋ひとしずく
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