Utakata
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未多来 mita_kuru
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優しいと言われる自分は嫌いで、サイレンの海を沖へ漕いでゆく
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透明なお別れの歌 ほんのりとシトラスに染めて君の街まで
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こんなにも美しいのか、食べられるだけに存在する水魚の群れ
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嗚呼、君は蛍のような人生に僕にだけ闇を残していくのね
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旅の終わりが絹のような柔らかいスプートニク・キス 波で攫って
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再会を誓い合った日の二人だけに分かる合図で、シオンに咲く花
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潮騒の遠くで消える境界線越しにあなたとわたしフラミンゴ
6
優しさで愛されようとしてるから、誰のことも愛せないペチュニア
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僕達の生まれ出るふるさととして水平線、海、眼裏の熱
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面白さだけで誰かのかさぶたをシールみたいに剥がすなよ世間
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固執した記憶を沈めておくような珈琲 ほんのり飲み干してクレマ
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水に形を与えている容れ物が僕らで実は中身などない
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いつの日かdiminuendo al chiaro di runa(月光の中に消えてゆく) この星を捨てて去りゆく月たち
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水魚の群れがフロントを流れてはガラスに消える雨の日の午後
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結晶になった柔らかい女の手が支えてくれた地球儀の旅
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羽ばたけば風身に纏う記憶だけ翻してゆく夏の蜻蛉
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しなかった旅の記憶、向こう側。過ぎ去る君褪せ、夏は
闌
(
たけなわ
)
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片目だけでずっと眺めた幸せが硝子越しのbirthday 笑って
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死ぬときに墓前に添える形見として薬指に言葉だけの指輪
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哀しみも通り雨のよう心ではskip my feet 水溜り 、晴れ
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この街の一部としての私から穏やかな色を残す日のため
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思い返す日に慰めになるような小さな花を日々に咲かせて
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きっとこの余白の方に本当のあなたを見つけるEpiphanyそっと
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アメイジング•ブルーを奏でる透明な朝の震える虹に雨の糸
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ヴァレリィを得意げに語る彼の妻を一夜、先端で葬る中指
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透明な実存主義を霞ませて灰になってゆくあなたもあなたも
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金曜日のラ・ラ・サンシャイン 通り雨も官能的な三十一文字
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ポップコーンのような音符が散漫に弾ける雨と独りのタンゴ
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言葉は香る。カシミヤの柔らかさだけの文末にkissしてピリオド
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マティーニをメイド喫茶で頼むようなハードボイルド死ぬまでずっと
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