人妻で蓋をしていた感情も、煮こぼれそうでまた蓋をする
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身重だと身体痛くて仕方ない。夫に紹介された運命
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患者には触れなきゃならぬあなたへと触れられたため恋してしまう
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丸点は気にしないでも良いですがやたら充電減る時は来て
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もしかしてハッキングかも丸点の恐怖で急行ドコモで消える
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味のないガムを噛み続けるように惰性で生きる深夜二時半
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「猫飼いたい」言うはタダよね命抱く覚悟なんて露もないのに
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ぷよぷよのおなか気にする君と僕 ケーキほおばる午前一時よ
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つるつるとてのひらをすべる文字たちよ明日もどうせおなじ一日
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海沿いの 町で育った 少年の 休日むなし 友と磯釣り
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隕石が落ちますように 私の火照った指を冷やしたいから
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サウナにて 攻めてみせよう 腹回り 燃やしてしまえ 内臓脂肪
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出来るなら林檎の花を湖に浮かべ小さく小さく死にたい
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慾望するところすべてがねむりをるデッキボトムを刻む、夢まず
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今日の昼 空に雲たち 夕立の 激しく降れば 夏になるかも
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生意気な春風ごときが掻き乱す 焦燥感さえ今は恋しい
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すれ違う二人の日々を数えても熱を忘れしコーヒーカップ
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よく走る駒のひとつと見なされて自己分析が捗る夜道
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夜を越して酔いどれるまま世をわたり預言者たちは予想をはずす
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散歩する犬の後ろをついていく飼い主めいた愛情でした
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新玉にオリブ油かけてレンジでチン 塩ふり食せばほほおつ甘さ
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畑仕事はたしごと精出す父から届きたる 新玉ねぎを毎日食す
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誕生日結婚記念日忘れても あなたが元気ならそれでいいや
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借り物の翼で飛べず墜落す桃色のくも空を流れる
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早世の天才たちは美しく言葉も顔も褪せず輝く
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イケメンを はべらせていた 龍宮城 女王の虻は 音で心刺す
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文字を書くことが楽しい姪っ子が大きな文字でハガキをくれた
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絶対に 食べれん草の パクチーの うまさを知った あなたのデート
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ソロデビュー三十周年ムック本衝動買いすhideはカリスマ
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入学し卒業までの三年で 嫌から好きへのグラデーション
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