miti
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投稿数
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自分ならモランのそばに寄り添って理解し合えるつもりでいる
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梅雨明けを謳った空はまだ霞み 茹だる暑さが夏を告げてる
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帰り路に 空を仰いで することは 相手のいない 星座の話
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正しさの世界で正しさ以外の美しさを求めて 描いて
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「人生はあっという間」の言葉を信じ 今か今かと待っている
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「紫陽花」とひとこと残る買い物メモに書き覚えがない六月
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描くことも 書くこともただ 暇を縫う 刺繍糸に 過ぎないのだから
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積み重ね それが何かに なるだろう  そう信じてただ見て見ぬ振り
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庭先に並ぶ鉢植え 紫陽花とアナベルの違いは知らなくて
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私は変身できないけど君はヒーローだから背中推したい
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人間に尻尾があればこんなにも悩まず生きてこれただろうに
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あなたと話す夢を見て もう少し そばに行けばと後悔の朝
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雨降りに 止まない頭痛 視界には 夏には早い 花火が散って
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お財布にしまったチョコは 明日への自分に贈る小さな褒美
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春霞 東西に走る航跡に 思い起こす青のあるじ
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双子座のとなり 火星が澄まし顔 「三つ子ですよ」と 言わんばかりに
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ヒーローが目の前にいる興奮とそれを分かち合える喜びと
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何かしら理由を付けて一年中 生きたくないを探している
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春が来る 前へ進めと告げるのに心構えもできないままで
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金継ぎとタイルで埋めた心の傷 死ぬ頃にはモザイクアート
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ひとさじの砂糖で甘くなるのなら あと何杯で変わるだろうか
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夕食は何がいいかと猫に聞く「にゃあ」とひとこと短い返事
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鳩サブレの首で割ってまず食べる 上司に恐怖を感じたんだ
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メッセージカードに綴る一言が 精一杯の短い手紙
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親しさの見えない距離が知りたくて 行ったり来たり行ったり来たり
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逃げ時を逃してここに居座って 逃げない理由を探す二月
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さよならを語るにはまだ青いから まだ傍に居てほしい三月
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足跡が梅の花弁に似ていると 白い仔猫に「うめ」と名付ける
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入り口に最も近い席で食うカレーうどんに決心揺らぐ
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初遭遇は学校の帰り道 遠く舗道が揺らめき踊る
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