最期だけ自分の声で泣くことを許されているガラスの欠片
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素の指でひろってあげる ガラスへのとむらいとしてひとつひとつを
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こなごなになって初めて空気にふれたダブルウォールの外側のぼく
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短くとも 深く眠りたい 眠剤の8錠め そっと手を伸ばしたり
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手が冷える はぐれて最初の赤信号 金子と西村逆だったかも
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母急募!24時間休み無し◎福利厚生:可愛い姿
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宛のない探し物をするほど暇になりたい
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掃除ってしなきゃこんなに溜まるんだ風邪の間に丸まるホコリ
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旅行前お土産何がいい?聞かれ其処らで買えるが月餅と言う
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今君は母の知らない場所へ発ち恋人の側で夢を見ている
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人は恋を知るとこんなにも貴方のことしか詠めなくなるのね
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死にたいと叫ぶ歌でも息継ぎをしてしまうので いつも死ねない
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落ちた葉が絨毯みたく綺麗でも足を滑らす危なき歩道
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足の怪我しらせてよこす友へ出す小さな荷物あれこれ詰めて
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寒いのは 弱く勝ち目は ないけれど キライじゃないよ この冬支度
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夜の来ない街に願いをかけるうた ドドソソララソきらきらひかる ファファミミレレドおそらのほしよ
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熱々のだいこん仕込み布団には冬のカバーをかけ終える午後
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仕事終え 駐車場にて 会釈する 見知らぬ同士 心でお疲れ
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山が着てる毛皮を撫でさせてもらった ビロードの畔、ボアの樹々揺れて @長野短歌
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奥池に 逆さもみじが 映る夜 季節を感じる 淡い気持ちに
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特別になりたい だけどこの顔を晒す勇気は出ない 匿名
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テレビから出てきた笑いに誘われた一人の笑いが浮く暗い部屋
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人知れず 産声上げし 機螂獅鮫きろうしきょう 独り銀幕の 波に揺られる /映画『メカカマキリライオンシャーク』
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ブラックな フライデーだし 欲しいもの なにかないのか 探す週末
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「二人なら美味さも倍」と独り言 土産の銘菓食み茶をすする
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くちびるを 重ねて解る 儚さに 柔らかなキミ そっと抱きしめ
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言の葉のトランプ切って鳴らす指 妙技に惚れるひとつの理想
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想い人いないしじまの灯下にて死を落ち着いて想念してる
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死にたいという精神と死なせないという本能 今日も軋轢
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人知れぬ裏街道の細道で醸成される愛を隠して
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