月明かり目と目が合って無感情窓はぴしゃりと閉めますからね
6
何ゆえか父が私にくれたのはヘミングウェイの老人と海
11
世に処せぬ負傷兵みなここに来て心楽にし安心なさい
8
何事か寒風だけが囁いて私の住居誰も知らない
7
慌てずも じっとひたすら 手薬煉を  引いて待たるる その宝船
9
あほなのだ なになにだから なになのだ これこれだから これこれなのだ お題・なの
3
堅豆腐こんぶを敷いた湯に浮かべ 沸かぬ手前で弱火にゆらし
19
ぬか床に七日漬けたる小かぶらを 薄く刻んで焼き飯に添え
25
人生の 苦楽を共に 支へ合ひ 寄り添ふ夫婦 理想の老後
27
道の端の 凍みた草木に朝陽照り 黄金に光る 冬の祝祭
16
クリスマスデコの草木の金色に 首を傾げた雪国育ち
8
懸案をいくつかかたづけたあとの秋のそらにはこころあそばむ
6
トマトとお花 買いに出れずとも まあいっか ねこの寝顔が 見られるのなら
14
イヤホンの片耳外し嫌そうな顔して遠く見つめる君は
8
野菜室のピーマンようやく救出よ 合間にLINEギフトをポチ>いい夫婦の日
15
寂し気にたたずむ君の足元のショートブーツはブラウンカラー
7
永遠に 死ねぬ劫火に 身を焼かれ 輪廻も許さぬ 父騙る鬼
5
滑らない吸い付くような指先の願い塗り込むハンドクリーム
23
咳をして微熱こらえて仕事して さらに泳いでクタクタである
14
箸を持ちこの橋渡るべからずと真顔の君に箸を割ったる
5
なんとまあ二度目の蒲団の心地よさ こういうことをしあわせと言う
21
今日はもう何もしないと決めたので 朝めし食べたら蒲団に戻る
16
半世紀ぶりに重力働いて 母との暮らし 三体問題
14
熊出ればフィットネスジム繁盛で散歩難民風と桶屋と
23
アリーナの最前席で待つてゐるよみたき歌ははやくも地層
5
自動ドア電源切ればただ不便熊出る間致し方なし/介護施設
19
去る電車わたしに見せる焦燥感秋に揉まれし半袖を着る
5
柿の木のある方角でする音にいちいちビビる雪雨風の/熊
19
あさのひかり あまりに眩しく 布団干す わがや 今夜は ふかふか・お布団
21
チビ猫は ひたすらひたすら ねています あさのにうにう牛乳 ねむたくてパス
14