バスカーテン貫く太陽の眩しさ夏よりも位置低いからかな
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女子高生特権いっぱいあるけれどやっぱ一番は黒のローファー
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スイッチを入れるためにあるスイッチのスイッチ外れてスイッチ入らず
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街をゆく異国の風に憧れて抱え歩いた祖母の大根
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生き返る萎れし紅葉もみじや逆光に清けき朝を深呼吸する 
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善し悪しを超えてむらむらもろびとを 突き動かすは承認欲求
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団地にてルームシェアする三人は岡田准一じゅんいちくん仲間由紀恵ゆきえと私/今朝の夢
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逢引を終えて立ち去る冬の道コートの内に残り香ほのか
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風邪をひき七日寝込んだクリスマス二度と食わないアイスのケーキ
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地球とふ惑星に住むと思わるる真青まさおな空と白き雲見ゆ
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流れ行く、雲眺めると、どこの地へ 過ぎ去りし行く人世に似て。
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年の瀬に残る余白をしみじみと なぞりて一年心に落とす
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日めくりの 最後の一枚めくりをり 無病息災 有難きかな 
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耳鳴りが ノイズ含んで滲む筆 ああこりゃダメよ 没だよこりゃ
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重すぎるこのスペックじゃ物足りない 熱を感じる距離まで来てよ
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沢山の心配と愛くれるなら体調不良も悪くない
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雅なる眉と安物剃刀と鏡と週末を睨みつけ
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「誕生日だから」と祖母は夕飯の魚に小さな旗をにこにこ
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大好きと伝える難しさを知ってからの嫌いの滑りやすさよ
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雪道のタイヤの轍うねうねと白く乱れて足を滑らす
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友とまた言い争いになったのはあちらのせいとお互い思う
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山茶花の道過ぎ行きて曲がり角ばったり出会う会釈しないと
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あれはもう忘れてしまえ言うお告げ脳裏に浮かぶ目覚めた時に
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バリケード封鎖などという時期に生きた人とは話が合わず
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在りし日の君を想いて佇みしもう新しき女性ヒトを見つける
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様々な人が有りきと先人の言葉が身に沁む街角見れば
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白々と明ける日差しが眩しくて爽やかな今日体目覚める
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いろいろと人間関係にも飽きてちょっと近くの山に出かける
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主体性そんな言葉も聞き飽きて侘助の花じっと見つめる
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俺の目はヘドロの中に星を見るそれは勇気を導いている
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