初めてのグリーン車両で足伸ばし優雅に目薬さしてゆく帰路
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指定席ないと云われて沈みゆくグリーン車両の椅子の背もたれ
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港湾の大型船に凪はなく青海の空は薄曇りなり
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ベラベラと話す若僧午前から人生訓を垂れる吊り革
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術後初東京出張ビル眺め目薬をさす有明の海
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弁当のタコウィンナー目が取れて食べるも愉し校外学習
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さざなみを眩しい視線で眺めてたキミの陽炎かげろう金色こんじきに揺れ
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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忘れると思い二回も確認し家に帰ればソラ忘れてる
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またひとつ美味しいのど飴発掘し充実度増す アメちゃん袋 /バッグに常備
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荒庭あれにわに 紫の粒 きらめいて 「ここに居るよ!」と むらさきしきぶ
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引き寄せる磁石さながら息の合う出会いも遥か彼方に絶えて
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口内にニッキの飴玉放り込み転がす《20時》オフィスを占拠
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手を伸ばしたら届くのは夢じゃないとか幽霊がなんか言ってる
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日常に草木を愛でる瞬間があるから豊かに思える通勤
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ほろよいで 次の獲物つまみを 探してる 秋の夜長に ひとり家飲み
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「人気者」ではなく「人」を見る目には自信あるので比例はれいわ
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前髪にいのちをかけし乙女たち その日の心緒 毛先に託し
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カオス!デパ地下に淀む香りはタイムパラドックスの金木犀
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特殊詐欺二週以内に受話器撤去と いいねと応え相手がガチャン
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澱む部屋そば茶のさみどりいやに光る花くたす雨 ふるわたしに
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ふらんすはあまりに遠し「赤と黒」原書にはがすユーロの値札
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7日間カールだけで飢え凌ぐ劇団のの武勇伝あり
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威を張っていわおのようにあの世から私の生を見つめてますか
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美しきものにかつえて来たのでしょ初秋の愁い美は変容し
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ロウソクの火先ほさきがゆれる 風もなく 消えることなく たおやかに生く 
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「しぬ」って君は笑った 置き去りの「笑いすぎて」が僕の袖を掴む
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猫舌のお仲間さんがいらっしゃる レンチンならば1分40秒(毎朝牛乳をチンするので)
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「むらさきのドレスきているひといるね!」幼な子パパに言う ごめんね(ただの)スカートだ(笑)>チュールスカートがドレスにみえたか。かわいいな(笑)
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アーモンドミルクの加熱の時間とかひとつきつと忘れているんだ/猫舌
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