イヤホンの 先だけ落ちた 階段を 降りる人の目 皆深い穴
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夕暮れに水撒きおれば鳥の声微かにとどく時鳥ほととぎすなく
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逢いたいと その一言が 言えぬまま 再び落ちた 憎き椿よ
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窓がらす 狭き教室 飛び出して 僕の心も 共に遠くへ
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乗客はぼくだけになり地下鉄はさらに地下へと答えをさがしに.
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善きものの そが善きことを認むれば その善き故を良く知らしめよ
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やって来た息苦しさで目が覚める 季節の変わり目という魔物
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窓を開け 吸い込む空気 冷たさが 朝陽にとけて 春を呼び込む
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心とはどんな形をしてるでしょう 目に見えないが大事な相棒
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アレルギー体質と今 判っても 我がは家族 マスク越しでも
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顔の傷 とはプライドか 生傷か 絆創膏を 買いなと云われ
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春陽あび冠雪とけし庭木らは冬眠から既に目覚めたるらむ
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百円のプランターに浸かってる豆苗あなたの成長を待つ
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目覚むれば弥生の朔日ついたち朝日射す裏のやぶより初音のとどく
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母遠く在りし日を知る梅の木や切られ砂利庭 残り香もなく
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足早に逃げゆく二月もう見へぬ山色変えしおぼろの春は
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生き方の 処方箋など ないのだし 考え過ぎず 生きよう弥生
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行く春や 梅の枝先羽やすめ 留まるはヒヨドリ何をか謳う 
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まだ寒い外の空気を入れてみる春の気配がそこに居ぬかと
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春告げる八甲田山のふきのとう地面を飾る黄緑眩し
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人に追いかけらる夢誰かより長く生きるの楽ではないな
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泣いてたら慈愛ミルクをあげなきゃ 地球 こどもには 失くなっていく宇宙あしたを見ながら
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おなじものを食べているから分かるよね 今夜の気分は「冷めたスープ」
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瓶の中光を閉じた花たちが過ぎた時間を照らし続ける
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あぁ悲しい涙が出るほど儚い恋 そんな薄い愛誰が許すの
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ぬるい風去年の今頃はなんて思い出しちゃうよし前を向こ/明日は三月
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早起きをする日に限って眠くないそして起きれず(あるあるだけど)
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御縁かな初めて逢う人とご飯話題にチラリキミが浮かんだ/如月二十八日
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膝痛の足つぼ調べてやってみた 続けてみたら何か良さ気な
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猫は今日 春の陽気に 誘われて ストーブよりも ひなたぼっこに
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