Utakata
登録
Login
サイトのご案内
榎本明音
フォロー
6
フォロワー
6
投稿数
94
短歌にハマってつくったアカウントです。
Twitter(X)→
https://twitter.com/enomoto_a_19
1
2
3
4
次 ›
最後 »
靴下のくるぶし側の刺繍から歩いた距離をそっと思わす
11
砂浜で真白の貝を拾ったらバキリと折れてまた砂に成る
9
起きたてで目が閉じている
雛鳥
(
ひなどり
)
に春を告げるか母鳥の声
11
菜の花を踏まずに歩く健脚が春の土へと確かに触れる
12
甘辛のタレが絡まる肉巻きは陶器の皿で熱く輝き
6
菜の花の黄色い波を道として歩きほほえむ恵みの春よ
13
白薔薇は雨に濡れても
俯
(
うつむ
)
かずひとつふたつと雫を
抱
(
いだ
)
く
13
緩やかに流されるまま昼寝して夢と
現
(
うつつ
)
が溶ける
境目
(
さかいめ
)
15
やみくもに流れた汗は滝のよう自分の軸がぐらりドロドロ
4
替え玉を頼む間合いを見計らう麺のかたさに迷いはないと
10
ツナサンドかぶりついたらオイルまでマヨの塩気と昼のざわめき
10
スキー板雪を切り裂き飛んでいく舞った氷は音を追い越し
12
大波を蹴って跳んでは弧を
描
(
えが
)
き進むイルカの背中に光
16
包装を爪で破いて漂った贈り物から君のぬくもり
10
雨粒が薔薇と戯れ楚々な庭茎をつたって土に溶けゆく
10
きのこ傘雨に弾かれ艶を増す誰も知らない朝のはじまり
12
トロピカルジュースの海に浮く島の特産品はたぶんデコポン
9
厳格な波の端へと日が沈む海の向こうに明日を隠して
8
川縁
(
かわべり
)
で朽ちた座席が泳ぐ日々流れる水は澄み切っている
9
瓶の中光を閉じた花たちが過ぎた時間を照らし続ける
9
公園で弾むボールを追いかけて影がしばしば重なる
薄暮
(
はくぼ
)
12
ハイヒール踏み出すたびに背伸びして脚の痛みを捻じ伏せていく
9
おにぎりの塩のしずくが手に残りまばゆい海をふと思い出す
14
レタス葉がシャキリと響くキッチンで銀のシンクは朝日で光り
10
散らばった本がジト目で睨んでる待ってよすぐに追いつくからさ
7
氷上で
我
(
わ
)
が物顔のアザラシは冬の日差しを贅沢に浴び
13
夜空にはまあるい月が満たされて女の頬を白く照らした
10
雨音がベランダ越しに踊る夜ランプを
点
(
つ
)
けて静寂を待つ
13
騙すならちゃんとしっかり騙してよ剥がれた嘘を愛させないで
8
錫杯のごくまろやかな側面に伝う響きは真摯な祈り
8
1
2
3
4
次 ›
最後 »