榎本明音
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短歌の表記は口語・現代仮名遣いです。自然や季節を中心に、食べ物や日常の出来事など明るいトーンの内容が多め。ほぼ全て定型遵守。
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手のひらに並ぶ色とりどりの粒全部飲んだら不死身になれる
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水の中ひねり泳ぎのペンギンの軌道を追って涼をとる夏
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早朝に並び勝ち得たアクスタの保護袋すら捨てられないの
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鮮緑せんりょくの海に浮かんだバニラ島赤いチェリーはお宝ですか
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ピカピカに拭いた車へ乗り込んで当てどなく行け炎天の道
4
冷凍庫パンパンになる不便さとホタテの山がドンドンドゴォン
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スマホのみポイントだけで買うおやつ錬金術を覚えましたか
3
美容室ハサミの音が進むほど自分の型がけずり出されて
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親指で画面をなぞる繰り返しおすすめされた他人の暮らし
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宅配の段ボール箱つぶすたび部屋の広さを取り戻してく
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つま先を黄色に塗って出かけたら歩道橋から地球を摑む
5
夕立でビニール傘を買った人あなたのための屋根を連れ出せ
4
「また今度」じゃなくて「来週空いてる?」と予定の海にいかりをくれた
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スマートなウォッチが腕を震わせて浅い眠りを引きがすのだ
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鳴りません死んだスマホを裏返しぬるい麦茶をヤケ飲みしなよ
5
ポケットで黒イヤホンをほどいては曲に歩幅を奪われている
3
靴の底外側ばかり擦り減った世界は少し傾いている
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新品のノートをひらきペン先を滑らせて引く最初の線は
4
なるもんかああはなりたくないものと言いながら成る君も大人だ
3
轟音が言葉をすべて搔き消して横顔だけをずっと盗んだ
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定期券タッチの音は重なるが違う路線へ進む背中よ
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歩幅からずれてゆくのを直すためわざとしゃがんで結び直して
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スニーカー砂が入るの気にせずに君の背中を追って走った
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アイスとか二つ選んで奢りあう胸の微熱を消さずに進め
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お土産の安価な猫を律儀にさバッグにつけるあたしに惚れてよ
9
豆を挽く香りが鼻をくすぐって意識のネジが回り出す今
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街灯が灯る合図で家路へと急ぐ背中を照らすオレンジ
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スニーカー紐を結べば胸奥で冷たい風をガソリンにしろ
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停留所時刻をなぞる指先に旅の終わりが近づいている
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掃除機がホコリの粒を飲み込んで床の広さを噛みしめている
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