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榎本明音
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短歌にハマってつくったアカウントです。
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電線をゆっくり歩く
雀
(
すずめ
)
たち夕日の色にぽてりと溶けて
16
天井を超合金の
鉤爪
(
かぎづめ
)
で引き裂いたなら清い群青
10
雨が止み空に架かった七つ色根を掘り返せ虹が呼んでる
13
高架下錆びたボルトを拾い上げ銅の息吹きが真昼に響く
8
林から見えた電車の最後尾鉄の叫びは遥か遠くて
10
帰り道首が後ろに倒れたら遠くで星が
瞬
(
またた
)
いていた
8
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けて黒々とした闇の中吐く息だけが白くぼやける
12
涼やかな朝のしじまが喉をつく酸素は巡りぎらりと
覚
(
さ
)
める
8
船に乗り酔いは
己
(
おのれ
)
を責めるけどきらめく海はなにも言わない
5
険
(
けわ
)
しくて足は自然と立ち止まる空を仰げば
峰
(
みね
)
はまだ先
14
へぎそばがプツリと切れてもう一度もちりもちもち頬が落ちそう
8
炎なら影法師すら焼き尽くす花の
骸
(
むくろ
)
の灰さえ消して
10
踏切で止まる車の窓越しに少し揺れてたスカーフの赤
8
肉を買う君の隣で眺めてる扉の奥の冷気の白さ
6
新品の靴で踏み出す通学路小鳥の歌に歩みを合わせ
11
揺れるたび輝いたのはイヤリング今宵の
主
(
ぬし
)
が一番強い
5
朝焼けが洗濯物を染め上げる干した布には風が眠る
17
週末は家の全てを掃除中ちちんぷいぷいあら効果なし
12
走らせたペンの音色は変わらずに身を乗り出して机は軋み
7
あと五秒サンニーイチと歌ったら日の出の
金
(
きん
)
が今注がれて
6
積雪の
均
(
なら
)
す力に息を呑むひたすら続く白銀の田よ
12
やっとこさ磨いた部屋の窓ガラス遠くの山がくっきりしてる
9
静謐
(
せいひつ
)
な森の奥へと踏み込めば流れる風が安堵をくれる
6
ゼイゼイと登った果ての山頂で雲の広さを初めて知った
10
花束を抱え直して香り立ち最後の世辞を口から
零
(
こぼ
)
す
6
張りつめて放つ矢先の
彼方
(
かなた
)
までただ一心に射続けるのみ
8
窓辺にはちびな多肉が並んでる淡い緑が愛とか語る
10
駅前で焦る人らが足早に青信号を摑む瞬間
11
ひと息で澄んだ空気が胸に満ち痛くなるほど冷たい朝よ
9
海水は止まることなく輝いて絶えない青に吸われる意識
5
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