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榎本明音
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短歌にハマってつくったアカウントです。
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やっとこさ磨いた部屋の窓ガラス遠くの山がくっきりしてる
9
静謐
(
せいひつ
)
な森の奥へと踏み込めば流れる風が安堵をくれる
6
ゼイゼイと登った果ての山頂で雲の広さを初めて知った
10
花束を抱え直して香り立ち最後の世辞を口から
零
(
こぼ
)
す
6
張りつめて放つ矢先の
彼方
(
かなた
)
までただ一心に射続けるのみ
8
窓辺にはちびな多肉が並んでる淡い緑が愛とか語る
10
駅前で焦る人らが足早に青信号を摑む瞬間
11
ひと息で澄んだ空気が胸に満ち痛くなるほど冷たい朝よ
9
海水は止まることなく輝いて絶えない青に吸われる意識
5
凛と立つ雪の
女王
(
じょおう
)
の白百合は
気高
(
けだか
)
い笑みで視線を奪う
12
ホイップとカラメルを
背負
(
しょ
)
う甘味たち小さな匙で口に運ばれ
8
アルコール飲んでないけど計算を米の旨味に糖質を見る
7
髪の毛の伸びる速度が早すぎる指で追ったらとぅるんと跳ねた
7
街角のアートがぬんと現れて
喋
(
しゃべ
)
んないから声を掛けたの
9
惜しみなく巨大ボトルの化粧水朝の肌へとひたひたに
触
(
ふ
)
れ
12
濃厚な塩けが舌に余韻ありチーズひとつで幸せを知る
12
紙パック冷たい白がしっとりと飲み干してすぐ
皮膚
(
ひふ
)
が潤う
4
指先で触れる景色はハワイ島光る板から
旅路
(
たびじ
)
が映る
9
駅前に
等値
(
とうち
)
な星が散らばって夜には少しまぶしすぎるね
8
水滴が肌を撫でてひんやりとあてたタオルの熱さを探す
6
灰色の水の中から浮き上がるやはり酸素が恋しいようだ
6
水中に深く潜れば音は無くしかし浮力が上へ
誘
(
いざな
)
う
7
隣でさ目がくらむほど魅せてくれ終幕までの君の生き
様
(
ざま
)
4
同じ背と同じ目線で生きたなら泣いて叫んで逃げ出すくせに
5
同じ背で同じ目線になれたなら今よりもっと寄り添えるかな
9
懐かれる優しさなんて持ち得ないけれどもなぜか
傍
(
そば
)
にいる人
8
築かれた価値と倫理が違うから見た目が好きと言えるみたいだ
8
額縁に閉じ込められたパノラマが見られるたびにまた息をする
6
健康を三千円で買ってみる腕にちくりと痛みのおつり
13
ようやっと
我
(
わ
)
が手に得たと誇らしげページをめくる雨降りの午後
10
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