榎本明音
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短歌にハマってつくったアカウントです。
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肉を買う君の隣で眺めてる扉の奥の冷気の白さ
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新品の靴で踏み出す通学路小鳥の歌に歩みを合わせ
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揺れるたび輝いたのはイヤリング今宵のぬしが一番強い
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朝焼けが洗濯物を染め上げる干した布には風が眠る
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週末は家の全てを掃除中ちちんぷいぷいあら効果なし
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走らせたペンの音色は変わらずに身を乗り出して机は軋み
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あと五秒サンニーイチと歌ったら日の出のきんが今注がれて
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積雪のならす力に息を呑むひたすら続く白銀の田よ
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やっとこさ磨いた部屋の窓ガラス遠くの山がくっきりしてる
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静謐せいひつな森の奥へと踏み込めば流れる風が安堵をくれる
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ゼイゼイと登った果ての山頂で雲の広さを初めて知った
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花束を抱え直して香り立ち最後の世辞を口からこぼ
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張りつめて放つ矢先の彼方かなたまでただ一心に射続けるのみ
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窓辺にはちびな多肉が並んでる淡い緑が愛とか語る
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駅前で焦る人らが足早に青信号を摑む瞬間
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ひと息で澄んだ空気が胸に満ち痛くなるほど冷たい朝よ
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海水は止まることなく輝いて絶えない青に吸われる意識
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凛と立つ雪の女王じょおうの白百合は気高けだかい笑みで視線を奪う
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ホイップとカラメルを背負しょう甘味たち小さな匙で口に運ばれ
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アルコール飲んでないけど計算を米の旨味に糖質を見る
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髪の毛の伸びる速度が早すぎる指で追ったらとぅるんと跳ねた
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街角のアートがぬんと現れてしゃべんないから声を掛けたの
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惜しみなく巨大ボトルの化粧水朝の肌へとひたひたに
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濃厚な塩けが舌に余韻ありチーズひとつで幸せを知る
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紙パック冷たい白がしっとりと飲み干してすぐ皮膚ひふが潤う
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指先で触れる景色はハワイ島光る板から旅路たびじが映る
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駅前に等値とうちな星が散らばって夜には少しまぶしすぎるね
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水滴が肌を撫でてひんやりとあてたタオルの熱さを探す
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灰色の水の中から浮き上がるやはり酸素が恋しいようだ
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水中に深く潜れば音は無くしかし浮力が上へいざな
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