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榎本明音
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短歌にハマってつくったアカウントです。
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上品にグラスの縁へ添えられたライムを素手で絞っていいの
9
鍋の中つみれがぷかり浮かび出てやめろ肉だけ取ろうとするな
13
卵黄をひとつ残してたそがれる米と混ぜたら明日は晴れる
9
日課だと割り切ってから鈍くなる飾っただけのログボの山よ
6
どうしても爪の先から香る冬部屋でぬくぬくミカン剥いてる
14
夜明けから川を渡って進みゆくオールに縋る白い手の豆
7
冷たさに頬がきしんで目を閉じる風切る音は冬の
言祝
(
ことほ
)
ぎ
9
光量の数値を測る機械にて測定不可を発するあなた
8
岩の上牡蠣が育てたシェルターを割れば
滴
(
したた
)
る潮の記憶よ
13
電線をゆっくり歩く
雀
(
すずめ
)
たち夕日の色にぽてりと溶けて
16
天井を超合金の
鉤爪
(
かぎづめ
)
で引き裂いたなら清い群青
10
雨が止み空に架かった七つ色根を掘り返せ虹が呼んでる
13
高架下錆びたボルトを拾い上げ銅の息吹きが真昼に響く
8
林から見えた電車の最後尾鉄の叫びは遥か遠くて
10
帰り道首が後ろに倒れたら遠くで星が
瞬
(
またた
)
いていた
8
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けて黒々とした闇の中吐く息だけが白くぼやける
12
涼やかな朝のしじまが喉をつく酸素は巡りぎらりと
覚
(
さ
)
める
8
船に乗り酔いは
己
(
おのれ
)
を責めるけどきらめく海はなにも言わない
5
険
(
けわ
)
しくて足は自然と立ち止まる空を仰げば
峰
(
みね
)
はまだ先
14
へぎそばがプツリと切れてもう一度もちりもちもち頬が落ちそう
8
炎なら影法師すら焼き尽くす花の
骸
(
むくろ
)
の灰さえ消して
10
踏切で止まる車の窓越しに少し揺れてたスカーフの赤
8
肉を買う君の隣で眺めてる扉の奥の冷気の白さ
6
新品の靴で踏み出す通学路小鳥の歌に歩みを合わせ
11
揺れるたび輝いたのはイヤリング今宵の
主
(
ぬし
)
が一番強い
5
朝焼けが洗濯物を染め上げる干した布には風が眠る
17
週末は家の全てを掃除中ちちんぷいぷいあら効果なし
12
走らせたペンの音色は変わらずに身を乗り出して机は軋み
7
あと五秒サンニーイチと歌ったら日の出の
金
(
きん
)
が今注がれて
6
積雪の
均
(
なら
)
す力に息を呑むひたすら続く白銀の田よ
12
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