背丈ほどの傘を握った幼子に あくび移され少し恥ずかしいかも
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濡れた刃が翻り止まる 輝きは私を貫かない、決して
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ごめんなさいは上手に言えないけれど。ありがとうは言えるの、私。
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また明日 あなたに敬礼 笑ってた ラブじゃないけど 心は軽い
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大好きな本はあえてゆっくりと 優しい言葉の布団でぬくぬく
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こたつへと潜り寝て起きみかん食うちょっと早めの寝正月かな
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これからはキャッシュレス化の時代だわ 新たな策を編み出さなくちゃ/節約③
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人助け ただし時給は運による ヒーローさんにはひどい宇宙だ
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年の瀬の落ち葉言の葉掃き集め一緒にべたい寒き日暮れは
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其の一に「郵便局の封筒」にカテゴリー別にお金入れるの/節約②
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やりくりがとても上手と友が言う そうなの実はコツがあるのよ/節約①
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なぜ ねこは ひなたぼっこがすきなのか りゆうは いろいろ めんえきりょく免疫力とか?(だいじだいじ)
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布団から 出よう出ようと 思っても ついに出られず 二度寝する昼
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魂の消費期限が切れたころきみに言いたいおやすみなさいと
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つらいから 笑ってふざけ ごまかして 耐えられないから笑うんだ
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催事場で「冬は必ず春になる」と歌手は歌う 心に沁みた
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肉親の死を味わえば何かが堕ちる人間ひとさがから在るべきものが
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激痛が治まってさえくれたなら円形ハゲは出来ぬし鬱にもならぬ/線維筋痛症
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催事ありサンタ帽子がずらりと並び人の世は経過してゆく
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冬至の日夜回りする拍子木の音響く商店街
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どうでもいいなら態度で示そうよ 手じゃなく空っぽ頭を叩こう
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ネガティブになってるわけじゃなくってさこの現実こそ世界の真実
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幸福の欠けらちらばる世界にてうっかり踏んだら痛いよ硝子ガラス
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聖域よ引きこもりなる世俗語に騙されないで神の子BOY
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母の作る 具沢山焼きそば(ただし柔らかめ)好物だが 白もつニラ焼きそばも捨て難し
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湯に浸かり温まったら「つめた〜い」カルピスソーダ身体にしみる
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たくさんの蕾のついた木がひとつ一ヶ月後は開くだろうか?
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明るいしあなたは介護できるわよ 他人ひとには分からぬわたしの涙
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強がりな自分も短歌詠む時は素直になれる寒空の下
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三十一みそひとぞあれば世界をえがる 今際いまわの父のふみみちゆき
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