悪人に刺されて死ねたなら星座にして飾れるほどの結末
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仕事する、あなたと話す、服を買う、明日も生きる、緩やかに死ぬ
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窯の火を再び燃やし焚べる薪 炎を映す器を求め
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僕もそう寂しい星になったから遊びにおいでよ手を繋ごう
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言葉には正解なんてないでしょう そこんとこどう ねえ定家さん
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息を吸う 乾いたなにかは喉奥に今も張り付く 欲するものは
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何にでも見つけようとすりゃ粗のひとつやふたつくらいあるもんでしょうに
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錚々たる哉憧憬の園 人は知らぬとばかり言う 木枯らしの声甲高き されど我ゆく彼の道を
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想定を 超える時間の 会議終え 残務処理し 日付変わる夜
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冬なのに 冷たいおろし 蕎麦食す 冷えた体に 気合がはいる
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夕暮れに 東の空に 浮かぶ月 流れる雲に 隠れて光る
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三月みつき経て 郵便受けを つい確認 亡き友の文 どこで迷子か
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息白く 朝日は橙 空は青 電車は緑 会社はブラック
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「(寒いから)帰ろう」『(眠いから)切るよ』受け取ることが愛のお返し
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頬に告ぐこの優しさの雨の予報 あーした天気になるかしら
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時々は本屋に寄って探索を背伸びしながら小説手に取る
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店仕舞い古本屋兼喫茶店在りし日の我が声が聞こえる
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物寂びた紙の香りを思い出す図書館通う懐かしい日々
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雨どきの しじまにいたり 君に問う 散りゆく恋路 恋情いずこ
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晩秋の色葉散る庭大輪のキダチダリアの薄紅揺るる
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起きるため眠る獣の四畳半 金魚はいつも横を向いてる
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空白に勝手に咲いた水仙が勝手にしおれて勝手にさびしい
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もう過ぎた十一月に降る雪は私のようにきえてゆくもの
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気が楽と言うけど私の心臓はそれどころじゃないの貧乏ゆすり
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あぁ、君のいつも上がった口角は僕を倒せるやわらかい武器
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朝四時の空気の匂いは 独りきり コンビニ着くとヨシダさんいる
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暮れてゆく部屋の机上にスリープの明りの点滅するコンピューター
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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海に僕捨てられたからヴィーナスに片腕あげた十六の冬
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乗っかって ノリに海苔にもノリノリで 君と黄身とが踊り出したり
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