生活を守りたく割り切ってから始めるためにビールは休む
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絶対に賛成はできない今日が悲劇始まりだったと気付く
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初春に 七草粥を食すれば 邪気を払いて 胃の腑にやさし 
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ギブアップ耐えられないとまた古希になりたがる古希までの若さが
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ZORINとWIN11を詰め込みしミニPCは机上に鎮座す
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湯の宿でスマホ遊びをする寒さまだ秋なのに眠れないだけ
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野球の子声張り上げて初練は逃げる吾への警策となり
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愛されてみたいとビールだけの夜は作詞家になりエレジーのイヴ
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心臓の鼓動さえも遠ざかり吐く息白い冬のせいかよ
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春の日に心とけゆくその時をいまか今かと待ち焦がれている
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変わりゆく時代のなかで変わらないものを守って生きていくんだ
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ふくよかな猫を追いかけ辿り着く不思議なお店に出会いたかった
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エクレアがあるよと誘惑 午前二時レーゾーコという四角い怪物
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整形は取れない化粧と言い聞かせ好きにならなきゃ親友の顔
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ああ二十歳欲しいひみつ道具すらも答えられないタケコプターと
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名前すら呼べなくなって中学生過去の自分に嫉妬している
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鉄塔が並ぶは夜の国道沿い 白い息吐く私は怪獣
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ちょっとでも喉カユ再発・即殺菌 ヴィックスドロップそろそろ尽きる
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染めたての艶やかな黒にひらり桜 幽玄の君はまるで春の季語
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君に会った人全員が君のこと好きになる 溶かされてだめになる陽だまりの心地よさ
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初自炊送られてきた写真には湯気立ちのぼる炊き込みご飯
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夕飯の完成写真送られて母の役目は誉め倒すこと
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暗がりを抜けるこみちにきざまれた階段を降りあの日へ帰る
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「何も無い」が有ると話に聞く宇宙の外を想像する難しさ
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趣味が増え やりたいことが ぶつかって おはじきみたく 何が残るか
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病院の待ち合い札を栞にしミステリー読む 結末恐し
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靴型の雪が車内に落ちていて誰が乗ったの始発のバスで
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自分だけ 愛されようと 思うのは 虫が良すぎる わがまま過ぎる
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さよならを 言えずに別れ 会えぬまま どこかでいつか また逢いましょう
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真水より体に取り込みやすいから悪意も善意も混ぜこぜで飲ませて
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