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投稿数
219
魔が差して殺してしまった感情を集めて燃やして暖をとりたい
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願わくば星座になりたい今日という光にいつか名前をください
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この街にありふれていく雑踏はカルマを灯した赤い彗星
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盲目の恋を濁したこの夜は誰も見てない私を見つめて
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機種変の反動で消えるトーク履歴思い出せなくなりそうな日々
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擬態した淋しさリトマス紙に浸り空の青さを知る旅に出る
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肩透かし春風吹いても春は来ずあなた想ってもあなたは来ない
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水色の水がこの世に無いように人間らしい人間はいない
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無個性のモザイクアートの一員を夢みた手の平他人に賭した
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どこまでが君でどこから僕なのか影踏むばかりいっそこのまま
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雨の音明かした夜は懐かしく褪せて霞んだ面影の君
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昨日まで行き場のなかった両の手で冬を君ごとすくい取るはず
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風吹けば思い出したかのように散りゆく季節みるみるうちに
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図らずも破り忘れた置手紙諸行無常の響き微かに
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静けさに怯えた僕を嘲笑うように黄昏れゆくゆくは明日
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凪いだ夜夢みた日々を夢みてる色づくほかない白百合の花
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想像を絶する一夜とそれでいて捻れた体躯にほとばしる朝
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塗り変わるプレイリストの奥底に乱反射した傷と面影
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擬人化の最たる例が君だったありふれた僕若者のすべて
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短針のあなためがけてひた走る重なる寸刻すらもせわしく
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幼気いたいけに踊った枯れ葉が告げた冬塗り絵が繋げた暖色の日々
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当然と言わんばかりに訪れるエンドロールにあなたはいない
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カーテンになびいた夕焼け憂鬱と孤独をかなぐり捨ててオーロラ
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缶コーヒー一つで温まる夜にお釣りがくるほど抱きしめあった
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車窓から撮るパノラマに同居したどこかに行ってしまいそうな空
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明快で殺傷的な独白を春になったらしようと思う
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文脈に囚われている僕たちは雪が降るたびここで出会った
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何もかも許してしまう朝焼けは心中さえも美談にし得る
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あと三度白波が来たら帰ろうか僕の知ってる白は君だけ
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まだ速いその速度ではゆくゆくは私もろとも貫く光
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