Utakata
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あの頬に涙が似合ったそれでいて弛まぬばかりの未来があった
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雲一つない星空を駆け抜ける夜汽車は走る色を捨て去る
5
吠える風鈍化していく人生を食べて新しい季節になって
4
閉め切ったカーテンの部屋いるはずの君と太陽重なった朝
6
どこまでも膨らむ雲突き破る月枕元の影忘れるばかり
7
切り分けた果実のようなこの夜をさらに大きくしよう二人で
4
空白の鋳型に溶けた見たことのない色形止まった時計
6
大粒の夕立上がり明星の道には空洞影か光か
5
反芻を嫌って切った誘蛾灯丸く収まる朝日は気体
4
夜だって桜は強く咲くけれど私は一人で萎れていった
5
よろめいた渚に情緒を溶かすほど生きとし生きて浮かんで消える
6
冬枯れの木々に実った雨粒は光を灯して雨を呼ぶ花
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知らぬ街知らぬ道でも隣には知っている君僕をすべてを
8
雲行きは怪しいけれどこのままでいられるほどは強くない僕
7
雲を割る斜陽を浴びて濛々と雲を目指すはいつかの言の葉
7
過ぎ行くは季節も時もあっけなくされどたしかな轍を描く
11
不意打ちの春の息吹に耐えかねて右手に託した厚手のコート
10
トンネルの中が外より涼しくてふと立ち寄った春の気配だ
7
抽象の最果てに住む怪物を叩き起こしてしまった僕ら
4
瞬間の重なりが恋を定義する膨張を悟る宇宙のように
6
春風に刺されて漏れ出す感情が宙を舞うたび呼吸を知った
7
この世には不要なものが多すぎる最たる例が君の不幸だ
6
風景のパーツを知った翌朝は森を感じた指の先まで
6
手袋を買いに出掛けたあの日から冬は一層儚くなった
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檸檬から香る黄色と雨の音君の手の平美の展開図
10
この春の蕾に込めた一房の実ることなき世界の仕草
7
和らいだ寒さに触れた指先で凍った春を微かに溶かす
10
真っ白な君を頼りに咲き乱る
灰雪
(
はいゆき
)
まばらに憧憬を付す
7
淋しさの居場所は今しがた降る誰もが感じる雪の儚さ
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綻んだ星の軌跡を一掴み敢えて見えないように輝く
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