Utakata
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縁
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バランスと吐き出す一過性の斜視で入水した冬信じるほかなく
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誰しもが誰かの神様になりたい私は私の神様がいい
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今すぐに読みたい本を読むことを人は自分勝手と呼んだ
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度が強い眼鏡をかけて見る世界あなたが私を見ている世界
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颯爽と推進力を与えられ水や炎を駆け抜ける生
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鳴くことが規定されにし鳥でしてそれ以外には死ぬことすらも
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暇なので明日の朝には爆弾をそして午後には身支度をする
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住み慣れた経年劣化の最果てに後ろめたくも見出す美学
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サイコロを振る神だっていてもいい光の速さを知ってはいない
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吐き捨てたガムの匂いで暖を取り知らず知らずのうちに消灯
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春嵐湿ったトンネル心地よく金平糖の形の幸せ
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昼下がり真夏の光に刺されてもガラスのリンゴは熟しはしない
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ふたりでに透明人間なれたなら愛の輪郭蔓延る箱庭
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昨夜未明小さな口でかじった実君が食べるかと思ったもんで
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君の髪絶対的な世界観普及した四季五個入りの桃
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子羊を数えて間もなく僕にだけ来たる真夜中切り傷は愛
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雲ひとつない左眼で君を見たたしかにあの日の青色は空
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際限なき存在証明自動ドア桜は散った桜は散った
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可及的速やかな夏破滅から救う気がする君や僕まで
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捨て猫と覚めない雨が秘めた熱夕暮れの意味知らないままで
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くたびれた境界線の融解を愛と呼ばずしてなんと呼ぼうか
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右の手はインクで染めたモノクロでフリーハンドの愛は物憂げ
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釣り切れの文字で躊躇う資本主義花火は今日の夜には止むよう
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晴天の霹靂らしいこの空をそういう君の眼に僕を
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君の庭鮮やかに咲く花々を帰り道には抱えている僕
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オルガンが色づく埃音はなく匂いの山で世界を奏でる
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コンビニに並んだ余命数刻の業を背負った人々の影
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夢に見た湿った恋のあとがきによすがはあるが夜は満たない
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