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投稿数
242
好きだから花の名前を覚えてる君が好きな花忘れてしまった
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経緯いきさつを定量的に当てはめて熟れることなくしぼむ夕暮れ
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真夜中に四往復するブランコの弧を描くような私でいたい
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肯定と否定を炙った夜のこと誰にも言えない君以外には
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明滅を生きがいとする街灯は新月ばかりを待ち侘びている
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めちゃくちゃになりたくなって飛び込んだ活字の海は温かかった
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爆ぜた春石の下に住む虫の数それ以上に死す思い出の数
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短歌とは孤独の一部をあてがって言霊にする営みである
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夜更けにもなっていないのに積もる雪悩める夜を隠してくれた
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明日には見えなくなった風見鶏正しさの性惑わす月夜
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西にあるたった一つの崩壊に気づいてもなお止まらぬ邦画
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地表にはろ過した水の数々が平気な顔して月日を流す
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地続きの一本道が好きなので写真が嫌いと仰る彼女
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消えていく溜め息の夜さざなみと情景描写に肩を並べて
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ほつれてた糸を伝った体温は喉元過ぎても熱さは忘れぬ
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コスモスに落とした恋を足早に育ててしまえば冬を忘れる
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とめどなく降り注ぐビル風に乗り明日を飛び越し一人になりたい
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何もない日々に共犯者が欲しいそんな動機があるとかないとか
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あの日々は私の夜凪に現れて光に満ちたそよ風のよう
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理解者の皮を燃やした越冬に新たな名前をつけてやりたい
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馴染ませた孤独の匂いに振り切られ愛する意味が積もり積もった
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あの夏の付箋のような恋心触れ合う度に離れていった
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おもむろに隠した本意の数々を積み上げたとて君が見えない
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暗がりの隙間風に預けた背中木々に囁く熱い滞留
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東京の死んだ星々僕達を思い出したかのように輝く
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滲み散る水性絵の具の息遣い黒のパレット白夜に流す
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波及した月光の街に駆り出され扇のように届く橙だいだい
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重力に垂れ流されて揺れ動く振り子は私を見てはくれない
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妙に来る明日に手の甲かざし待つ朝日の色が今日は違った
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宙に舞う白の吐息の数々に行方が同じ二つがあった
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