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投稿数
252
背に受ける風がいつもより冷たい貴方が感じていたはずの風
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清涼と羽が織りなす秋の色君が明かした程遠い夜
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雨がやみ尖った草木と彩りを踏みしめていき秋を知る猫
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いつもより風が涼しい広い部屋食べきれない鍋つつく秋の日
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夕立が染めた頬一雫垂る鳴かず飛ばずの僕に一瞥
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彼は今無性に季節の風媒花夢見てどこゆく光を蔑む
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向日葵の花弁のような笑顔にも輝く風の陰りが芽吹く
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昇華したポップな淋しさ見ないふりアサリになって出汁をとりたい
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空を見る冴え渡るまま羽広げ無機質な夜殺すカラスら
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僕達は平行ではなく離れゆくあの日は確かに交わっていた
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日々醒めるテトラポットの憂鬱と解を失う九十九里浜
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手の甲に見知らぬ冷たさと熱を感じ続ける夏のCメロ
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澄んだ水凛とした音淋しさと無数の光を浴びる大海
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海は死の匂いで満ちた楽園で誘われるまま終わりに連なる
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キラキラに見えてしまった夜だって君を愛する理由にならない
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海鳥のさえずるままに満ちていく潮の気配にほとばしる影
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明日よりも今日の朝日を希釈して冷めないままの曙が今
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さざなみのさから始めるしりとりを君と海辺で夢想して午後
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朧げに捉えた像と十年の月日をもって曇天晴れぬ
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蒸し暑い夜に二人でコーラでも飲んでしまえばさらに暑いな
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呟いた泡に蔓延る煙さえ君の一部だと思えば愛しい
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残り火に薪をくべる度想う人花火に見えた幻想の夏
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ふと君が僕に預けた落とし物故意でないとも言えないけれど
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蜃気楼僕と君とをそう呼んだ青写真には不揃いな僕
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蝉に午後来たる終わりに儚さをあてがうことの傲慢たるや
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不躾に近頃殺処分された空虚なモノクロ日常の錆
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三日月の裏側を知る人だって私の心の内を知らない
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隅々のあまねく鳥の翼にも何処に行くかは分からぬもので
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溶け出した氷の底に煌めきとその日暮らしの私の哲学
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星になること夢見てる少年は雨が降る度涙を流す
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