鷹上 鏡也
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数を数えられない
短歌集販売開始しました。詳細はTwitterより。

じりじりと私に穴を開ける視線は太陽かあなたのまなこ
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暗がりの街灯を受ける味気ない歩道橋は天国への階段
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瞳孔が狂っちまって弾けた光る夜景が懐かしくて惜しい
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もう決めた 研鑽積んでこの歌を研いで磨いてあんたを殺す
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ぬいぐるみとかかんざしとか抹茶とか パンケーキ とか わたしにはないのに
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おさかなのビスケット頬張ってみても雨は止まないしきみもいない
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この腕を手当てするのがきみならば、だなんてもうない希望に咽ぶ
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お守りに買ったエメラルドのピアス きみだけがいない信仰あいしているのに
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さようなら! 愛も永遠とわも一生もどこにもないことこその証明
3
歪んだ視界とふらつく足元と汗ばむ背中が鬱陶しい朝
9
撃ち抜けないほど 貫けないほど鈍い言葉で誰が殺せるのかなんて
5
丸くなった思考と鈍った創作とそれでもきみとの恋をやめない
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霞む目と頭に痛い白日 赤い充電 過去になったアラーム
3
目一杯深呼吸してまだ春のうちでいられる肺にしよう
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きみの手料理ならばトリカブトのおひたしもレバ水仙だって食べるよ
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心配そうに覗き込む顔が愛しくて、わざと乾いた咳をするとか
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めくる袖 君と僕とでおそろいの手首と腕に生きるための痕
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はじめて不老だけじゃなくて不死の薬もほしいと思った 春の夜
6
薄く伸ばしたバターの香りの原石をルースにしていく型抜き
3
両手に花じゃなくて両手でキミを抱きしめたほうがその分幸せ
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湯気と注がれたカップの波打ち際 砂糖の砂浜 琥珀色の海
8
なぜ教えてくれなかったの、電子レンジの加熱が冷めやすいこととか
5
息も浅いような刻の隙間には還りたくなる水の中へと
5
トースターとコンロの微かな橙 漏れる灯で窓を眺る
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天秤にかけるは息を吸ういとまと思考を放棄するせわしさ
7
今、朝か夕かもわからないのならうつつも夢になればいいのに
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枕元 スポットライトを一身に集めて乾いたページをめくる
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モニター越しの君にカーソルで手を振る目が染みるブルーライト
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仕事もお金もただの肩書きと紙に成り下がる終末を待つ
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黒髪を内側から覗く キューティクル越しの虹に目を細める
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