Utakata
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鷹上 鏡也
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数を数えられない
短歌集販売開始しました。詳細はTwitterより。
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目一杯深呼吸してまだ春のうちでいられる肺にしよう
4
きみの手料理ならばトリカブトのおひたしもレバ水仙だって食べるよ
5
心配そうに覗き込む顔が愛しくて、わざと乾いた咳をするとか
5
めくる袖 君と僕とでおそろいの手首と腕に生きるための痕
3
はじめて不老だけじゃなくて不死の薬もほしいと思った 春の夜
5
薄く伸ばしたバターの香りの原石をルースにしていく型抜き
3
両手に花じゃなくて両手でキミを抱きしめたほうがその分幸せ
6
湯気と注がれたカップの波打ち際 砂糖の砂浜 琥珀色の海
7
なぜ教えてくれなかったの、電子レンジの加熱が冷めやすいこととか
4
息も浅いような刻の隙間には還りたくなる水の中へと
4
トースターとコンロの微かな橙 漏れる灯で窓を眺る
9
天秤にかけるは息を吸う
暇
(
いとま
)
と思考を放棄する
忙
(
せわ
)
しさ
6
今、朝か夕かもわからないのなら
現
(
うつつ
)
も夢になればいいのに
5
枕元 スポットライトを一身に集めて乾いたページをめくる
5
モニター越しの君にカーソルで手を振る目が染みるブルーライト
3
仕事もお金もただの肩書きと紙に成り下がる終末を待つ
2
黒髪を内側から覗く キューティクル越しの虹に目を細める
2
もう一度、今度こそ、これが本番、奇数の花を手折ればいいのに
3
終わりは必然なこと、観測のできない人生があること 世の常
6
ボディーソープに見出したパールを爪へとのせるマニキュア気分で
6
二杯目の紅茶を冷まし飲むだけの意味のなき有意義な夜ふかし
8
海行きの散歩力尽き河川敷ベンチから望む
現実
(
リアル
)
の油絵
5
呟く「何者かになりたい」ビジョンだけは立派 口だけ 欲だけ
4
青々とした黎明も朝疎み顔を曇らせ涙を堪える
3
白玉の脳みそになる日もそう遠くはない剥がれ落ちてく記憶
2
春の太陽 春の風 春の匂い 過ぎゆく冬を惜しむは僕だけ
9
息の吸い方も忘れるような、凍える白くて青い
或
(
あ
)
る朝の日
4
用もないのに暗闇に浮かぶコンビニに釣られる蛾だなわたしは
5
夜がふけるまで朝がくるまで点いたまま豆電球 ベッドの明星
2
魚の皮を剥いだオーロラの美しさをチゲ鍋で知るなんて
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