青春を 始める前に 時止まり いまだ少年 幻想の中
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枯葉散り 老いたる桜 春が来て 若葉が出れば 命再び
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少しずつ 体調不良で 休みがち 仕事もできぬ 老いてゆくのみ
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年を取り 病気になるは 必定と 思えるまでに 数年かかる
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ちらちらと霞ガラスに雪気配 鳥も歩かぬ今日は雪らし
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雪国の 雪下ニンジン春を待つ 凍へぬように 甘さ蓄へ 
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愚かだよ 傷だらけでまばゆくて 春に咲かない梅みたいに
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気づけないことばかりだよ現実は苦難ばかりで動きづらくて
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「生きている」アリを踏みつけた夏の日私は残酷で人であった
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何がとかどれがとか言えないけれど多分全部だ。全部苦しい
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君語る幸せな未来の構想当たり前に呼ぶ私の名前
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新しい風を掴んで羽ばたけばすべてが春に向けて動きだす
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愛ってさ、深い深い海のようなんてぼんやり思ってみたり
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もう君と過ごす時間は無いけれどそれでも感謝の気持ちは消えない
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台風の走り書きした列島が お詫びにもらう青と太陽
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温泉の湯にぞ浸かりて 真冬パジャマ 最強寒波よ来るならば来い
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タイミング よかれとおもい 気配りも 相手にとって 必要か否
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『人並みに』そのようにして暮らしたい。被災者の胸、保護世帯の胸
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遠近おちこちの豪雪の報「明日はわが身」を自覚の夕べ
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歌姫の紡ぐ音色は滲みゆき掠り湿って私を満たす
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鬱屈を吐き出したいと歌に乗せ風に流せば心は晴れる
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安らぎをあなたのなかに見つけてねほかのどこにもないものだから
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ふくらんだ家族の数のいずれまたひとりにしぼむ 刹那にふたり
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ガス抜きが下手な自分も創作をすれば心が温かくなる
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「安くして」そればかり言うお客様見積作る手が凍りそう
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恵方巻長さにきまりはなかったか短いのとかご利益あるのか/予約チラシ見て驚いた
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愛せないきみはぼくからまもられて敢えてまとわぬシフォンのドレス
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メール見てクライアントの要望が雑で頭を抱える睦月
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寒中の戦闘あまり辛すぎて手持ち無沙汰なハンドクリーム
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約束が守られなかったその日から手帳の中で降りやまぬ雪
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