日が変わり ロウソク灯し 祝い酒 あなたに送る 好きなお酒よ
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朝だから 体が空だ だからかな サラダは鮮やか あなた柔らか
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中腹を照らす雲の切れ目より真白く残る雪が輝く
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哀れなり夏目漱石あんたもう弾き出される精算機かな
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悪いことせぬと思わせうそぶいて手なら抜くもの楽はするもの
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毎朝おいしいごはんを作る君後片付けは私の仕事
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ハンバーガー食べに行こうと連れ出され春の気配とほくほくポテト
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犬撫でてる時ぐらいの幸福感起きてる中で一番幸せ
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犬撫でるようにしゃべろう私たちふわふわと髪なびかせていけ
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春風が吹いているのはわかってる花粉が舞っててくしゃみ出るから
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欲情のあふれゆくまにカレーライス焦げていたのは愛か未来か
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先日の「おから」のお礼が云いたくて「か」と「く」を復唱しながら走り
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本館はどこにもなくて別館が無数にあった きみの夢には
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春風の そよぐ日だまり 鳥の声 聴こえし時は 心ほぐれる
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両手に花じゃなくて両手でキミを抱きしめたほうがその分幸せ
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ふゆベッド おかおとおててを のせている ねこも さりゆくきせつを おしむ惜しむ
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指先が キムチ色に 染まってた
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誕生日もうすぐだねと云ってた花の模様のサンダル提げて
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暗い居間 やむなく照らす そうでなきゃ 憂鬱な午後に 溶け出しそうで
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母の手で 結んでくれた 靴紐の ちょうちょ結びに残るぬくもり
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すずめの声 夜明けとともに夏は往く答え合わせが終わってないのに
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この星はむかし誰かが見た星で私の後の誰かが見る星
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ごめんねと言ったけれどもオムライス スープぎこちなく距離をとってる
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出せぬまま 淵に溜まりし この思い それにつけても 早期復興
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山登り 苦しいけれど なぜ登る 後のビールが 死ぬほど旨い
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人生に 意味など無いと 哲学者 なんで生きるか 死ねねえからだ
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高校生 眠たい夜明け 5時に起き 好きな子と会う 牛乳配達
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コツがある ティッシュ配りは 目を見ない サッと渡せば 本能で拾う
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言い方が気に入らないと腹を立て 焼く卵焼き歪んで焼ける
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かつて観た 映画の俳優 ひとり減り ふたり減りして 寂しさ覚ゆ
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