前きみに好きだと言ったあの服は 誰かに言われてやめたみたいだ
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もうそこに閉じ込められたままじゃない 行きたい方へ行ってもいいの
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ベランダで 夜風打たれる 立ち姿 寡黙な君から タバコが香る
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あなたとの思い出全部この足で上書きしてく 一人で、全部
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濃緑のスギ薬局のレジ袋に精霊バッタどこで紛れた
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闇に咲く紅の花儚きや咲いては消える今生いまよの刹那
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ここでない舞台で勝負するならば我も飛びたい君より高く
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旗掲げ大海原へ進む君イヤだよ岸で見送るなんて  
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飴玉が個包装にくっついて散歩途中にイラつく残暑
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紙タバコ 肩身が狭く せめてもと 傘をこしらえ 悦に浸る
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久々に おののく程の 入道に  ゆる日近し 青天井
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若き日の 意味なき自負が 今あれば  寄る年波に 勝てる気がする
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「私よりもっと素敵な人いいひといるはずよ」 いる筈がない でも探さなきゃ
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校庭の かつての象徴 金次郎  野暮な現代 尊徳もなし
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満ち足りる 皆はそれを 望むけど  少し足らぬが 幸せかもな
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夜五つに 打上花火 君照らす  五本の指の どれか当たれば
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ゆく夏のゆうべに浮かぶ茜雲 夏ってなんだか幻みたい
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冥王が 太陽系から 去りし時  勢いありし 日出づる処
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生温なまぬるい 塩素の底で 息繋ぐ 瓜二つなる 傷を合わせて
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秋黴雨あきついり 軒下二人 笑み会釈  出逢いはかくも 卒爾そつじなりけり
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「そんなことできるわけない絶対に」それでも止めない 夢があるから
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大丈夫 ここには誰も いないから 口へ含めよ 無数の氷河
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コロナ明け あれこれ症状 フルコース 体力大事 ひたすらに寝て
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良い一年 なれば良いなと 思う今 これこそが、もう 希望の種に
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こんにちは。遺骨について なんですが 貴方と行けなかった 海行きで
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君なしで生きて行けるのかこの私いや生きるんだ結論ひとつ
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そのままのきみでいいわけないだろう とっとと婚活パーティーに行け
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この夏も通勤買い物頑張った サンダル灼けの足を讃える /徒歩族
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もうこんな時間となったか あと一章読んで今夜は終りにしよう
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彼女にも妻にも母にもおもしろいオタクにもなれず私は
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